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東京都豊島区南長崎を拠点とする「城田社会保険労務士事務所」は、企業の持続的な成長と健全な職場環境づくりを支援する人事労務の専門事務所です。
激変する社会情勢や労働法制の厳格化が進むなか、当事務所では「中小企業の労務管理」および「クリニック・医療機関の労務管理」に特化し、経営者様や医療従事者の皆様が本業に専念できる強固な労務基盤の構築を伴走型で支援しています。
「人を大切にする経営」と「企業の規律」を両立させる実践的なソリューションを提供し、トラブルを未然に防ぎながら、従業員が誇りと安心感を持って働ける組織づくりに貢献します。
執筆コラム
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試用期間中なら解雇できる?本採用を迷う中小企業が確認したい判断と対応
「入社から2か月たってもミスが続く」「試用期間が終わる前に、本採用を見送ると伝えてよいのか」。採用した従業員の働きぶりに不安があるとき、判断を急ぎたくなる経営者もいるでしょう。 しかし、試用期間は、会社が自由に雇用を終了できる期間ではありません。まず確認したいのは、採用時に何を求め、どのように指導し、本人がどう対応してきたかです。この記事では、期間の定めなく採用した従業員に試用期間を設けた場合を中心に、本採用を迷ったときの確認事項と相談の進め方を解説します。 試用期間中も労働契約は成立しています 一般的な試用期間では、入社時から労働契約が成立しています。適性を確かめるために、一定の条件の下で契約を終了する権利を会社が留保していると考えられます。そのため、「まだ正式な社員ではないので、期間が終われば契約も終わる」とは扱えません。 試用期間中の解雇や、期間満了時の本採用拒否には、試用の目的に照らした客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が必要です。通常の解雇より判断の余地が広いとされますが、経営者の印象だけで自由に決められるという意味ではありません。 採用後に分かった勤務上の問題について、その内容や程度、採用時に期待した役割、指導の経過などを確認します。「社風に合わない」「覚えが悪い」といった評価は、何が起きたかを説明しなければ、判断の根拠が曖昧なままになります。 なお、「最初の3か月は有期契約」という場合は、試用期間付きの無期契約と同じではありません。契約期間の途中での解雇には、原則としてやむを得ない事由が必要です。満了時に更新しない場合にも別のルールが関わります。名称だけで決めず、契約書の記載と採用時の説明、実際の運用を確認しましょう。 最初に採用条件と問題の内容を照合します まず、雇用契約書や労働条件通知書、就業規則、求人票などを揃え、試用期間の開始日と終了日、担当業務、本採用の判断に関する定めを確認します。求人票で説明した仕事と、入社後に任せている仕事に違いがないかも見てください。 同じ「仕事が遅い」という問題でも、未経験者として育成する前提で採用した場合と、特定の業務を任せる即戦力として採用した場合では、確認すべき事情が異なります。会社が求める水準を本人に伝えていなかったり、必要な研修を受けさせていなかったりすれば、本人の能力だけを問題にすることは適切ではありません。 次に、問題が起きた日、担当した仕事、指示の内容、結果、業務への影響を整理します。納期の遅れであれば、当初の期限、途中の追加指示、業務量、本人からの相談の有無まで確認すると、原因を検討しやすくなります。 遅刻や欠勤についても、勤怠記録だけでなく、連絡の状況や本人が説明した事情を確認します。体調や職場環境に関する訴えがあるときは、単なる勤務態度の問題と決めつけず、必要な配慮や事実確認を別途検討してください。 当事務所では、解雇等のトラブルを含む人事・労務全般の相談を取り扱っています。「本採用を断れるか」だけでなく、判断に必要な資料が不足していないか、会社側の説明や運用に課題がないかという段階から、相談事項を整理いたします。 指導は改善してほしい行動と確認日を具体的にします 指導するときは、「もっとしっかりしてほしい」という抽象的な注意で終わらせず、どの仕事の、どの行動を改善してほしいかを伝えます。本人の説明も聞き、理解不足なのか、指示が曖昧なのか、業務量に無理があるのかを確かめましょう。 例えば、入力ミスが続く場合は、確認手順を一緒に見直し、提出前に照合する項目を示す方法があります。そのうえで、次にいつ状況を確認するか、誰が支援するかを決めます。仕事の性質や習得に必要な時間に応じ、改善の状況を確認できる進め方にすることが大切です。 面談後は、日時、伝えた内容、本人の説明、会社が行う支援、次回の確認予定を記録します。改善した点も残してください。不利な出来事だけを集めると、実際の変化や会社の指導状況を正しく把握できなくなります。 記録は、解雇するための材料を後から作るものではありません。本人と会社の認識をそろえ、勤務を続けられる可能性を検討するためのものです。過去にしていない注意をしたことにしたり、面談記録の日付をさかのぼらせたりしてはいけません。 例えば、従業員12人の会社で、未経験で採用した事務担当者に請求書の入力ミスが続いているとします。社長は能力不足を心配していますが、担当者ごとに入力方法が違い、確認者も決まっていませんでした。 この場合、まず入力方法と確認者を統一し、本人に手順を説明して、作業結果を確認することが考えられます。その後も問題が続くか、どの部分が改善したかを見ます。「ミスが何回あれば解雇できる」と回数だけで結論を出すことはできません。 試用期間の延長と解雇予告は分けて検討します 試用期間の終わりが近づくと、「判断できないので延長したい」と考えることもあるでしょう。ただし、延長を当然にできるとは限りません。就業規則や契約の根拠、延長の必要性、期間の相当性、本人への説明などを確認する必要があります。 延長する場合も、何を確かめるための期間なのか、評価する業務、会社が行う支援、判断時期を明らかにします。単に結論を先送りするために繰り返し延長する運用は避けましょう。本人の同意があれば、どのような延長でも問題がなくなるわけではありません。 解雇を検討する場合には、解雇理由の妥当性とは別に、解雇予告等の手続きを確認します。試用期間中の従業員でも、14日を超えて引き続き雇用した場合は、原則として30日前の予告か、予告に代わる平均賃金30日分以上の解雇予告手当が必要です。予告期間が30日に足りない場合は、不足日数分の手当を支払う方法もあります。 最初の14日以内に解雇予告の例外が適用される場合でも、合理的な理由が不要になるわけではありません。また、解雇予告手当を払えば、理由に問題のある解雇まで有効になるわけでもありません。手続きと解雇の有効性を混同しないことが重要です。 本採用を見送る旨を伝えてから、理由や手続きを整えようとすると、既に伝えた説明との食い違いが生じることがあります。終了日だけを先に決めず、判断理由と必要な手続きを、本人への通知前に確認しましょう。 本採用に迷ったら満了前に社労士へ相談しましょう 評価基準が明確で、指導後に改善が見られ、本採用する方向で問題なく進められる場合は、社内の手順で対応できることもあります。すべての試用期間について、外部への依頼が必要というわけではありません。 一方、本採用を見送りたい、延長の根拠が分からない、上司によって評価が違う、既に本人へ退職を求めたといった場合は、早めの相談が望まれます。満了直前まで待たず、どの時点で何を確認するかを検討する時間を確保しましょう。 相談時には、契約書、労働条件通知書、就業規則、求人票、勤怠記録、指導や面談の記録を用意してください。会社が困っていることに加え、本人の説明と改善状況も共有してください。資料が全部揃っていなくても、手元にあるものと未確認の事項を分ければ、相談の出発点になります。 当事務所は、労務相談のみの契約に対応し、就業規則の作成・変更も取り扱っています。手続きや給与計算を社内で行っている会社も、従業員への対応判断についてご相談可能です。継続的な相談や規程の見直しを依頼する場合にも、柔軟に対応可能ですので、ご相談ください。 既に解雇の有効性をめぐって争いが生じている場合などは、事案に応じて弁護士への相談も検討します。社労士に相談すれば、あらゆる紛争の交渉や訴訟まで任せられるというものではありません。 試用期間の対応で大切なのは、満了日に結論を出すことだけではなく、採用時の期待を具体化し、指導と評価を積み重ねることです。豊島区で労務管理に悩む経営者の方も、本採用を見送ると伝える前に、契約と事実関係を整理し、適切な対応をご相談ください。
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許可していない残業にも残業代は必要?中小企業が確認したい判断基準と対応
「残業は事前申請制なのに、申請せずに仕事を続ける従業員がいる」「上司が許可していない時間まで残業代を払う必要があるのか」。中小企業の経営者にとって、残業の管理は、費用だけでなく職場のルールにも関わる悩みです。 ただし、申請や許可がないという理由だけで、残業代を一律に支払わない扱いにはできません。実際にどのような仕事をし、会社がどのように指示・管理していたかを確認する必要があります。無断残業が分かったときの確認手順と、繰り返さないための運用を解説します。 残業代の判断は、申請書の有無だけでは決まりません 労働時間に当たるかどうかは、会社の指揮命令下に置かれていたかによって判断します。明確に「残業してください」と命じた時間だけでなく、黙示の指示で仕事をしていた時間も含まれます。黙示の指示とは、言葉で明示していなくても、周囲の状況から業務を求めていたと評価されるものです。 例えば、終業間際に当日中の納品を指示し、定時までには処理できない仕事量を任せていた場合は、残業申請がなくても、会社の指示との関係を確認する必要があります。「残業は禁止」と伝えながら、実際には終わらない仕事をそのまま担当者に任せていないかも大切な点です。 一方、退勤後に私用で会社に残っていた時間が、そのまま労働時間になるわけではありません。会社にいた時間と仕事をしていた時間を区別し、本人と上司の説明や記録を照合します。「無断だからゼロ」「打刻が遅いから全部残業」のどちらかに、確認前から決めつけないようにしましょう。 また、申請ルールを守らなかったことへの指導と、実際の労働に対する賃金の支払いは、別に整理します。申請違反があったとしても、労働時間に当たると判断した時間の賃金を、罰として支払わない扱いは避けなければなりません。 無断残業が分かったら、記録と業務内容を照合します 最初に、対象となる日と時間帯を特定します。タイムカードや勤怠システムの記録に加え、残業申請、業務日報、パソコンの使用記録、業務上のメールなどを確認します。記録を後から定時に書き換えるのではなく、元の記録を残して、確認結果と修正理由が分かるように整理しましょう。 本人には、何をしていたのか、いつ誰から依頼されたのか、翌日に回せない事情があったのかを聞きます。上司にも、仕事を把握していたか、納期をどう伝えたか、帰宅や作業中止を具体的に指示したかを確認します。本人の申請漏れだけを調べると、業務配分の問題を見落とすおそれがあります。 特に注意したいのは、申請された残業時間と、入退館やパソコンの記録に大きな差がある場合です。記録の差には私用や休憩が含まれることもありますが、申請しにくい雰囲気のために仕事を少なく申告している可能性もあります。差の理由を確かめ、必要な補正につなげます。 「申請は月20時間まで」などと、実際に働いた時間の申告自体を制限する運用も見直しが必要です。会社が残業時間を抑える目標を設けることと、発生した労働時間を正しく記録することは、分けて考えてください。 当事務所では、残業手当の管理方法を含む人事・労務全般の相談を取り扱っています。本人と上司の説明が食い違う場合も、まずは確認できる資料と、まだ分からない点を分けておくと、相談すべき論点を具体化しやすくなります。 残業時間の確定後は、給与と36協定を確認します 労働時間を確認したら、自社の勤務制度に照らして賃金を計算します。会社の所定労働時間を超えた時間と、労働基準法の法定労働時間を超えた時間は、同じとは限りません。 例えば、通常の労働時間制で所定労働時間が1日7時間の従業員が8時間働いた場合、追加の1時間について賃金の確認は必要ですが、1日8時間を超えていないことだけを見れば、法定時間外の割増が直ちに発生するわけではありません。週の労働時間や就業規則・賃金規程の定めも確認します。 法定時間外労働には、原則として25%以上の割増賃金が必要です。月60時間を超える法定時間外労働の部分は、中小企業も50%以上となります。深夜労働や法定休日労働には別の割増のルールがあるため、時間数だけでなく、働いた日と時間帯も整理しましょう。 併せて、法定時間外労働などに必要な36協定の締結・届出と、その内容を確認します。36協定がないことや、協定の上限を超えていたことを理由に、実際の労働に対する残業代の支払いを免れることはできません。支払いの問題と、今後の働かせ方の是正を並行して検討します。 変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合は、通常の労働時間制と同じ数え方で結論を出さないよう注意が必要です。固定残業代を支給している会社も、対象時間や金額、実際の割増賃金との差額を確認します。 事前申請制は、上司の判断と業務調整まで決めます 事前申請制は、残業の必要性を確かめ、仕事の割り振りや時間を管理するために役立ちます。ただし、「許可がなければ支払わない」と規則に書くだけでは、実際の運用は整いません。 申請には、行う仕事、残業が必要な理由、終了予定時刻を記載できるようにします。上司は、当日中に必要な仕事か、他の人に分担できるか、期限を調整できるかを判断します。許可しない場合は、残っている仕事をどうするかまで伝えることが重要です。 急な顧客対応などで事前申請が難しい場面についても、連絡先や事後報告の手順を決めておきましょう。承認者が不在だと申請できない仕組みや、申請しても返答がない状態は、現場でルールが形骸化する原因になります。 例えば、従業員15人の会社で、営業担当者が毎日1時間ほど残り、翌日の顧客向け資料を作っていたとします。社長は事前申請制だから残業ではないと考えていますが、上司は遅い時間に資料の修正を求めていました。 この場合は、申請漏れの指導に先立ち、修正指示の時刻や納期、実際の作業を確認します。そのうえで賃金の取り扱いを整理し、以後は修正依頼の締切を早める、翌日対応でよい仕事を明確にするなど、業務の進め方も見直します。本人に「早く帰るように」と伝えるだけでは、同じ状況が続く可能性があります。 判断に迷う場合は、従業員への回答前に相談しましょう 本人が作業内容を説明し、上司の指示や勤怠記録とも一致しているなど、会社で事実関係と計算方法を確認できる場合は、自社で対応を進めることも可能です。すべての無断残業について、外部への依頼が必要というわけではありません。 一方、上司が黙認していた可能性がある、申告時間と記録が大きく異なる、過去の複数月にわたる請求がある場合は、支払わない旨を回答する前に相談することが望まれます。既に紛争となっている場合は、内容に応じて弁護士への相談も検討します。 相談時は、就業規則と賃金規程、雇用契約書、勤怠記録、給与明細、残業申請のルール、業務指示が分かる資料を用意しましょう。会社が本人に伝えたことや、本人から、求められている回答の期限も共有すると、確認すべき点が分かります。 当事務所は、労務相談のみの契約にも対応し、就業規則の作成・変更や給与・賞与計算も取り扱っています。社内で給与計算を続けながら判断に迷う点を相談したい場合や、申請ルールと規程を併せて見直したい場合は、必要な支援の範囲をご相談ください。契約に含まれる業務と費用は、依頼内容に応じて柔軟に対応いたします。 許可していない残業への対応では、まず実際の働き方を確かめ、賃金の処理と申請ルールの改善を進めることが大切です。豊島区で労務管理に悩む経営者の方も、「本人が勝手に残っている」と結論づける前に、仕事の指示と記録を整理するところから始めてみてください。
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退職前の有給休暇は拒否できる?引継ぎが残るときの会社の対応と相談の進め方
「月末で退職したいので、残っている有給休暇を全部使いたい」。従業員からこう伝えられ、引継ぎが終わっていないのに休んでもらっては困る、と感じる経営者もいるでしょう。 退職前であっても、年次有給休暇を取得する権利はあります。会社が先に行いたいのは、申請を認めるかどうかの判断ではなく、残日数と勤務予定を確かめ、限られた出勤日で何を引き継ぐかを整理することです。 この記事では、従業員の退職日について争いがない場合を中心に、有給休暇の申請を受けた会社の確認事項と、引継ぎの進め方、社労士に相談したい場面を解説します。 退職前の有給休暇は、引継ぎを理由に一律に拒否できません 年次有給休暇は、原則として従業員が請求する時季に与えるものです。退職を申し出たことだけで、残っている有給休暇が使えなくなるわけではありません。 会社には、請求された時季に休暇を与えると事業の正常な運営を妨げる場合に、取得時季を変更する「時季変更権」があります。ただし、単に忙しい、代わりの人がいないという事情だけで、自由に変更できるものではありません。業務内容や休暇の長さ、代替要員を確保するための対応などを踏まえた判断が必要です。 特に退職前は、変更先となる勤務日が退職日までに残っているかが問題になります。退職日より後へ有給休暇を移すことはできません。そのため、退職日までの勤務日すべてに有給休暇が申請されている場合などは、時季変更で解決できないことがあります。 就業規則に引継ぎの義務があっても、それだけで「終わるまで有給休暇は認めない」と扱うことはできません。引継ぎについて協力を求めることと、有給休暇を取得できるかは分けて考えましょう。 最初に確認するのは、退職日・残日数・勤務予定です 申請を受けたら、退職の意思が伝えられた日、退職日、有給休暇の希望日、既に会社が説明した内容を記録します。退職日について認識が食い違っている場合は、その点を整理する必要があります。 次に、年次有給休暇管理簿や勤怠記録を基に、付与日、付与日数、取得済みの日数、繰越分、時効による消滅の有無を確認します。管理簿は、取得した時季、日数、基準日を従業員ごとに明らかにするものです。給与明細に残日数が表示されていても、直近の申請がまだ反映されていないことがあります。 残日数を確認したら、退職日までの勤務表に希望日を当てはめます。有給休暇は、もともと働く義務のある日に取得するものなので、会社の休日まで有給休暇の日数として数えないようにします。シフト勤務では、暦の日数と勤務日数を混同しやすいため、確定している勤務予定と照合しましょう。 また、「最終出勤日」と「退職日」は別です。有給休暇をまとめて取得する場合、最後に出勤した後も在籍が続くことがあります。給与計算や保険の届出を担当する人にも、二つの日付を区別して共有してください。 当事務所では、有給休暇の管理方法に関する相談に加え、給与計算や退職に伴う保険手続きを取り扱っています。休暇の日数だけでなく、退職までの給与処理や必要な届出も課題になっている場合は、併せて相談していただくと、必要な支援を整理しやすくなります。実際に依頼する業務の範囲は、個別に確認しましょう。 引継ぎは、出勤できる日と業務の優先順位から組み立てます 引継ぎを進めるときは、「全部終わらせてほしい」という伝え方から一歩進め、業務を具体的に書き出します。進行中の案件、直近の期限、取引先への連絡、資料の保存場所、社内システムの権限などを整理しましょう。 そのうえで、退職する本人から説明を受けなければ分からない事項と、資料があれば後任者や上司が対応できる事項を分けます。残っている出勤日には、本人にしか分からない案件の経緯や、直近の期限がある仕事を優先すると、限られた時間を使いやすくなります。 引継ぎを受ける人と、内容を確認する上司も決めておきます。本人が資料を作成しても、受け取る人が決まっていなければ、実際の業務に引き継がれません。後任者の採用が間に合わない場合は、いったん上司が受け取るなど、会社側の体制を整える必要があります。 例えば、業務の事情を説明し、本人に有給休暇の希望日の調整を相談することは考えられます。ただし、本人が応じることを前提にせず、合意できない場合の業務分担も検討してください。退職日の変更を相談する場合も、本人との合意が必要であり、会社が一方的に延長できるものではありません。 取得日の調整に合意した場合は、変更後の日付を記録し、勤務表と有給休暇管理簿に反映します。有給休暇として扱いながら、引継ぎのために出勤やオンライン会議への参加を当然に求める運用は避けましょう。実際に業務を行った場合には、勤怠と賃金の扱いを確認する必要があります。 仮の例で考える、残りの出勤日が少ない場合の対応 例えば、従業員8人の会社で、営業担当者の退職日までに所定労働日が15日あり、有給休暇が10日残っているとします。本人は最後の10勤務日に取得することを希望しています。これは、対応の考え方を説明するための架空の例となります。 まず、残日数と希望日が正しいかを確認すると、実際に出勤する予定は5日です。会社はその5日間を前提に、担当案件の一覧、見積りの進捗、直近の納期、顧客への連絡事項を整理します。上司が案件一覧を受け取り、別の担当者へ分担する日程も決めます。 一方、退職後に受注する可能性がある案件の細かな営業資料まで、すべて本人に作り直してもらおうとすると、5日では終わらないかもしれません。引継ぎの目的を「必要な情報を会社に残すこと」と捉え、既存資料で対応できる部分や、会社側で補える仕事を見直すことが大切です。 有給休暇の開始まで出勤日がほとんど残っていない場合は、同じ計画を当てはめられません。本人と調整できる余地を確認するとともに、会社で把握している情報から業務を引き継ぐ方法を検討します。申請を断る結論を先に出さず、日程、資料、業務への影響を基に相談を進めましょう。 回答に迷うときは、本人への説明前に社労士へ相談しましょう 残日数と日程が明確で、本人の希望どおり取得でき、引継ぎも進められるなら、社内の手順に沿って対応できる場合があります。すべての退職で専門家への依頼が必要というわけではありません。 一方、会社と本人で残日数の認識が違う、申請日を欠勤扱いにしようとしている、時季変更ができるか分からないといった場合は、回答する前に社労士へ相談すると、確認する順序を整理できます。既に一律に拒否した場合も、そのやり取りを含めて伝えてください。 相談時には、雇用契約書、就業規則、有給休暇管理簿、勤務表、本人からの申請や会社の返信を用意します。引継ぎが必要な案件と期限、受け取る人の予定も分かる範囲でまとめると、「引継ぎが大変」という説明より、検討すべき事情が明確になります。 当事務所は、中小企業の労務管理を支援し、人事・労務全般の相談や就業規則の作成・変更を取り扱っています。労務相談のみの契約も可能です。手続きや給与計算は社内で続けたいものの、従業員への対応判断を確認したい会社も、必要な支援から検討できます。 退職前の有給休暇への対応では、従業員の権利を踏まえながら、会社側で業務を引き継ぐ準備を進めることが大切です。豊島区で労務管理の相談先を探している経営者の方も、まずは資料を整理し、判断に迷っている点を具体的にお伝えください。今回の対応を確認するとともに、日頃の有給休暇の管理や業務共有を見直す機会にしましょう。
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社労士の顧問契約はどこまで任せられる?中小企業が契約前に確認したい業務範囲
「社労士と顧問契約を結べば、給与計算も任せられるのだろうか」「相談だけお願いして、手続きは社内で続けてもよいのだろうか」。顧問契約を検討するときは、料金とともに、依頼できる仕事の範囲が気になるものです。 社労士の顧問契約は、どの事務所でも同じ内容というわけではありません。同じ事務所でも、相談を中心にするか、保険手続きや給与計算まで依頼するかで、契約内容が変わります。中小企業が必要な支援を選べるよう、任せる仕事と社内に残す仕事の整理方法を解説します。 顧問契約の業務は、相談・手続き・給与計算に分けて考えます 最初に、今困っていることが「判断」なのか「書類の作成・提出」なのか「毎月の計算」なのかを整理しましょう。これらは互いに関係しますが、依頼する業務としては分けて確認する必要があります。 労務相談は、残業の取り扱いや有給休暇の管理などについて、法令と自社の規則、実際の状況を踏まえて対応を検討するものです。保険手続きは、入退社や報酬の変更などに伴う届出の作成・提出を指します。給与計算では、勤怠や賃金の情報を基に支給額・控除額などを計算します。 例えば、従業員が退職するときには、保険の資格喪失の手続きだけでなく、残っている有給休暇、最終月の給与、会社から本人への説明なども問題になります。保険手続きを依頼しただけで、そのすべてが委託先の担当になるとは限りません。 当事務所では、人事・労務全般の相談に加え、社会保険・労働保険の届出、給与・賞与計算、就業規則の作成・変更などを取り扱っています。ただし、取り扱っている業務のすべてが、一つの顧問契約に含まれるという意味ではありません。必要な支援を伝え、契約に含める範囲を確認することが大切です。 相談のみの契約と、手続きも任せる契約の違い 社内で処理できる会社は、判断の支援を検討します 担当者が保険の手続きを行えていても、従業員から初めての相談を受けたときや、勤務条件を変更するときに、判断に迷うことがあります。この場合、社内の作業を残しながら、労務相談を継続して依頼する方法が考えられます。 当事務所は、労務相談のみの契約にも対応しています。担当者が調べた内容について、自社の就業規則との関係や、追加で確認すべき事情を相談したい会社にとって、検討しやすい選択肢です。 相談する際は「この対応でよいですか」という質問だけでなく、本人の希望、会社がこれまで説明した内容、関連する契約書や規則も共有しましょう。一般的な制度説明と、個別の事情を踏まえた検討では、必要な情報が異なります。従業員への説明を誰が行うかも、社内で決めておきます。 手続きを任せる場合は、年間の届出も確認します 保険手続きまで依頼する場合は、日常の入退社だけでなく、年に一度の業務も含めて確認しましょう。社会保険の算定基礎届や労働保険の年度更新などは、通常月とは別に資料の整理が必要になります。 当事務所のホームページでは、これらの定期的な届出を含む顧問契約例を案内しています。依頼したい届出を一つずつ挙げ、月額に含まれるか、別途の費用が必要かを見積り時に確認してください。会社の新規加入手続きなども、日常の届出と同じ扱いとは限りません。 給与計算を依頼する前に、勤怠の確認範囲を決めましょう 給与計算を外部に任せるときは、「勤怠データを渡す」という説明だけでは不十分です。打刻漏れの確認、休暇の区分、残業時間の集計まで、どちらが何を行うかを具体的に決めます。 例えば、終業後の打刻が遅い日があっても、その時間がすべて仕事だったのか、私用で残っていたのかは、数字だけでは分かりません。反対に、打刻前に会社の指示で準備作業をしていれば、その時間も労働時間として扱う必要があります。記録と実際の働き方を確認する役割は、計算を委託しても必要です。 厚生労働省のガイドラインでは、労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間とされ、始業・終業時刻は原則として使用者の現認や客観的な記録を基に確認・記録することが示されています。勤怠システムを導入しただけで、実態を確かめる作業が不要になるわけではありません。 当事務所の料金案内も、給与計算について勤怠の集計の有無を区別しています。依頼時には、現在の記録方法と集計方法を伝え、どの状態のデータを渡す契約にするかを確認しましょう。料金表の数字だけを比較するより、自社で残る作業を把握しやすくなります。 また、給与の締日と支払日だけでなく、資料を渡す期限、会社が計算結果を確認する日、修正の連絡方法も決めます。昇給や手当の変更を、いつ誰が伝えるかも重要です。振込操作や給与明細の配布、配布の方法(Web明細や紙ベース)など、計算の後に発生する仕事も確認しておきましょう。 仮の例で考える、社内と社労士の役割分担 例えば、従業員12人の会社で、総務担当者が保険手続きと給与計算を行っているとします。手続きは続けられるものの、残業の取り扱いについて経営者と担当者の判断が分かれ、給与確定前の確認に時間がかかっている場面を考えてみましょう。これは説明のための架空の例です。 この会社で先に整理したいのは、計算を外注するかどうかよりも、何を労働時間として記録し、誰が確認するかという運用です。就業規則や賃金規程、雇用契約書、勤怠記録を基に、実際の働き方とのずれを確認します。 社内で計算を続けられるのであれば、労務相談を依頼し、判断に迷う点を整理する方法があります。一方、計算の負担も大きいなら、給与計算の委託も併せて検討できます。必要な支援は、同じ従業員数の会社でも異なります。 さらに、規則そのものの変更が必要になった場合は、日常の相談とは別の業務になるかを確認します。「相談したら規則の改訂まで済む」と思い込まず、課題の確認、変更案の作成、従業員への説明など、必要な作業を整理してから依頼を決めましょう。 見積りでは、月額に含む業務と追加業務を確認します 顧問料を比較するときは、従業員数だけで同じ条件だと考えないことが大切です。雇用形態や入退社の頻度、給与体系、会社側で準備できる資料によって、依頼内容は変わります。 当事務所では、会社ごとの状況と受託業務の内容などを踏まえて、最終的な顧問料を見積もりいたします。相談を中心にしたいのか、手続きの作業を減らしたいのか、給与計算も見直したいのかを分けて伝えると、希望する契約内容を具体化しやすくなります。 契約前には、相談できる事項、手続きの対象、給与計算の有無、就業規則の作成・変更や助成金申請の扱いを確認しましょう。連絡手段、窓口となる人、急ぎの相談の取り扱いも、双方で合意しておきたい点です。対応時間や回答までの期間を推測せず、事前に確認が必要となります。 また、初期の資料整理、賞与の計算、契約前の期間に関する修正などを依頼したい場合は、その希望も伝えます。月額以外の費用が発生する条件と、年間で想定する業務を把握すれば、契約後の行き違いを減らせます。 任せたい仕事を整理して、必要な契約を選びましょう 社労士との顧問契約を検討する際は、仕事をすべて外部に移すことを前提にする必要はありません。社内で続けられる仕事と、専門家に確認したい判断、継続して任せたい作業を整理することが出発点です。 特定の手続きだけに困っているなら、スポット依頼で対応できる場合もあります。一方、毎月のように労務上の判断が必要になる会社では、継続して事情を共有できる相談先を持つことが役立ちます。自社で対応できる範囲を踏まえ、必要な部分から検討しましょう。 豊島区で顧問社労士を検討している経営者の方も、まずは、現在の担当業務と困っている場面を簡単に書き出してみてください。当事務所では、労務相談のみの契約を含めたご相談を受け付けています。契約の名称や月額だけで決めず、会社と社労士の双方が担当する仕事を具体的に確認しておきましょう。
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中小企業に社労士の顧問契約は必要?労務管理を任せるタイミングと判断基準
「入退社の手続きは何とかできているけれど、これで合っているのか不安」「従業員から質問されるたび、社長が調べている」。中小企業の労務管理では、書類を作る時間だけでなく、判断に迷う時間も負担になります。 社労士との顧問契約を検討する目安は、従業員数だけではありません。相談が発生する頻度、社内で確認できる体制、今後の採用や働き方の変更も関係します。自社で続ける業務と専門家に任せる業務を整理し、継続的な支援が必要になるタイミングを考えてみましょう。 顧問契約の必要性は「作業量」と「判断の負担」で考えます 労務管理には、入退社に伴う保険手続きのように期限に沿って進める仕事と、雇用条件や従業員対応のように事情を確認して判断する仕事があります。手続きの件数が少なくても、毎回判断に迷っているなら、継続して相談できる相手を持つ意味があります。 例えば、採用する人の勤務時間を決める際には、業務の都合に加え、保険の加入要件や雇用契約の記載内容などを確認します。書類を提出する段階になって初めて検討するより、採用条件を提示する前から相談できる方が、説明のやり直しを減らしやすくなります。 顧問契約は、一定の範囲で継続的に相談や手続きを依頼する契約です。一方、スポット依頼は、特定の手続きや課題について個別に依頼する方法です。相談が年に数回で、社内でも必要な確認ができるなら、スポット依頼で対応できる場合もあります。 「小さい会社だから不要」「人を雇ったら必ず契約が必要」と一律に考えるのではなく、普段の管理を無理なく続けられているかを確認することが出発点です。 採用や契約更新が増えたときは、管理方法を見直しましょう 雇用条件を決める前に確認することが増えていませんか 正社員だけだった会社でパートを採用する、勤務日数の異なる人が増える、有期契約の更新が重なるといった変化があると、従来のひな型や担当者の記憶だけでは管理しにくくなります。 労働契約を結ぶ際は、賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があります。2024年4月からは、契約の締結時や有期契約の更新時に、就業場所・業務の変更の範囲も明示するルールとなっています。有期契約では更新上限の有無と内容など、追加で確認すべき事項もあります。2026年10月からはパートや契約社員の契約内容に、正社員との待遇の違いについて会社に説明を求めることができる事項を追加する必要があります。 以前から使っている書式だから問題ないとは限りません。実際に予定する働き方と、求人時の説明、契約書や労働条件通知書の内容が合っているかを確認しましょう。 例えば、説明用の仮の例として、従業員6人の会社が新たに短時間勤務のスタッフを採用するとします。採用後に「繁忙期には勤務時間を延ばしてもらいたい」と考えていたものの、その条件を十分に整理していなければ、本人への説明や保険の確認をやり直すことがあります。人数が少なくても、雇用条件が多様になる時期は相談を検討する目安です。 就業規則の義務と、顧問契約の必要性は分けて考えます 常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成・届出が必要です。人数は原則として会社全体ではなく事業場ごとに判断し、パート・アルバイトも含めて確認します。作成・変更時には労働者代表等の意見を聴き、届出後も従業員に周知する必要があります。 ただし、10人未満だから労務管理の確認が不要になるわけではありません。反対に、10人以上になったから必ず顧問契約を結ばなければならないわけでもありません。規則を整える単発の支援で足りるのか、その後の運用についても継続的に相談したいのかを考えます。 担当者がいる会社でも、相談先を持つ意味があります 社内の担当者が手続きを行えている場合でも、例外的な事案や制度変更まで一人で確認するのは負担になります。顧問契約は、担当者を置き換えるためだけのものではありません。社内に実務を残し、判断が必要な部分を専門家に相談する方法もあります。 当事務所では、手続き代行に加えて人事・労務全般の相談を取り扱い、労務相談のみの契約にも対応しています。社内で処理する仕組みができている会社は、「何を外注するか」だけでなく、「どの判断を相談したいか」を整理すると、必要な支援を絞り込みやすくなります。 例えば、担当者が採用から退職までの手順を把握していても、有期契約の更新条件を変える場合や、従業員から従来と異なる働き方を希望された場合には、確認する資料や説明の順序が変わります。その都度インターネットで調べるだけでは、自社の契約や規則との関係を見落とすことがあります。 また、担当者が休んだときに、提出状況や保管資料が分からなくなる状態も見直したいところです。専門家への依頼と併せて、社内の窓口、資料の保存先、報告の方法を決めることが大切です。外部に任せても、会社で起きた変更を伝える役割は残ります。 手続きを任せる場合も、社内での情報共有が欠かせません 顧問契約で手続きを依頼するときは、作業の引継ぎだけでなく、どの時点で何を知らせるかを決めましょう。入社日、退職日、勤務条件の変更などの情報が届かなければ、専門家も必要な手続きを判断できません。 当事務所の顧問契約の例では、入退社などの保険手続きに加え、年度ごとの届出や労務相談などを案内しています。毎年発生する仕事と日常の変更への対応を併せて検討することで、依頼する業務の全体像を整理できます。実際の受託範囲は個別の契約で確認となりますが、会社毎に柔軟な対応が可能です。 例えば、退職が決まったときに担当者が保険の届出だけを意識していると、最終勤務日、有給休暇の取得予定、貸与品の返却などの確認が別々になりがちです。誰が本人と確認し、誰が給与計算に伝え、誰が専門家へ連絡するかを整理すれば、同じ情報を何度も聞き直す負担を減らせます。 給与計算や就業規則の作成などを併せて依頼したい場合は、顧問契約に含まれると決めつけず、希望する業務として伝えましょう。労務相談、保険手続き、給与計算のうち、社内に残す仕事を明確にすることが、役割の行き違いを防ぎます。 顧問料は、社内に残る負担も含めて検討します 顧問契約の費用を考える際は、月額料金に加え、現在どの仕事に時間がかかっているかを振り返りましょう。手続きの入力だけでなく、制度の調査、書類の修正、従業員への説明にかかる時間も対象です。 直近1か月から数か月を振り返り、「発生した手続き」「判断に迷ったこと」「調べるために止まった仕事」を書き出すと、依頼したい内容が具体的になります。今後の採用予定や、担当者の退職・交代予定があれば、それも検討材料になります。 社内の体制が安定し、限られた課題だけを解決したいなら、まずスポット依頼を検討できます。一方、毎月のように雇用条件の確認が必要、経営者が調査や判断に追われる、担当者の交代後も管理を継続したいといった会社では、顧問契約が選択肢になります。 見積りを依頼する際は、従業員数だけでなく、雇用形態、入退社の頻度、社内の担当体制、相談したい課題を伝えます。料金に含む業務、追加業務の扱い、年間で必要な費用を確認し、自社が得たい支援と見合うかを判断しましょう。 日々の判断を抱え込む前に、必要な支援を整理しましょう 社労士との顧問契約を検討するタイミングは、手続きが処理できなくなったときだけではありません。採用条件を決める機会が増えたときや、社内で判断を確認する相手がいないと感じたときも、管理体制を見直す機会です。 当事務所は、中小企業やクリニックの労務管理を支援しています。相談のみの契約を含め、現在の社内体制と任せたい業務を踏まえてご相談いただけます。 まずは、現在の従業員構成、使用している雇用契約書や就業規則、最近判断に迷った出来事を整理してみてください。豊島区で顧問社労士への相談を検討している経営者の方も、「今は社内でできていること」と「今後も続けられるか不安なこと」を伝えると、必要な支援を具体的に考えやすくなります。
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クリニックの昼休みは労働時間になる?電話対応・診療延長で確認したいポイント
「昼休みに受付スタッフが電話に出ている」「午前の診療が長引き、スタッフの休憩が短くなっている」。クリニックでは、こうした場面が起こることがあります。 勤務表では休憩時間としていても、スタッフが実際に業務を行っていたり、電話や患者対応のために待機していたりする場合、その時間を休憩として扱えないことがあります。 大切なのは、クリニックの休診時間と、スタッフが仕事から離れて休める時間を分けて考えることです。この記事では、昼休み中の電話対応や診療延長の事例を交えながら、院長が確認したい労働時間・休憩・勤怠管理のポイントを解説します。(本文中の事例は、対応のポイントを説明するための架空のケースです。) クリニックの「昼休み」が、そのままスタッフの休憩時間になるとは限りません 判断の基準は、仕事から離れることが保障されているか 例えば、午後1時から3時までを休診時間としていても、その2時間がすべてスタッフの休憩時間になるとは限りません。 労働時間に当たるかどうかは、「昼休み」「休憩」という名称ではなく、実際に院長などの指揮命令下に置かれているかで判断します。電話や患者対応を求められている時間や、院長などの指示のもとで診療準備・片付けを行う時間は、労働時間として扱う必要があります。 一方、業務への対応を求められず、自由に過ごせる時間は、休憩時間として扱える場合があります。院内で食事をしているというだけで、労働時間になるわけではありません。 「院内にいるか」だけでなく、「仕事から離れて休める状態か」を確認することが重要です。 休憩は、実際の労働時間に応じて確保する 労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、勤務の途中に与える必要があります。 診療の延長によって実際の労働時間が増えた場合は、必要な休憩時間も改めて確認しましょう。勤務表に休憩を記載しているだけでは、実際に休めていることの確認にはなりません。 昼休み中の電話対応は、通話した時間だけを数えればよい? 電話当番として待機する時間にも注意する 昼休み中に電話対応をした時間は、業務に当たります。さらに、「電話が鳴ったら必ず出る」という当番を任せている場合は、実際に電話が鳴らなかった時間も、労働から離れることが保障されていない待機時間として、労働時間に当たります。 「食事をしながら待っている」「電話は数件しかない」といった事情だけでは、休憩として扱えるとはいえません。 確認したいのは、電話対応の件数だけでなく、スタッフにどのような役割を求めているかです。 事例: 電話対応は5分でも、1時間の待機を求めていたクリニック あるクリニックで、午後1時から2時までを受付スタッフの休憩時間とし、「電話が鳴ったら対応してください」と伝えていたとします。 その日の通話時間は合計5分でした。院長は「残りの55分は食事や休憩ができている」と考えていましたが、スタッフは1時間を通じて電話に対応する義務があり、自由に仕事から離れられない状態でした。 この場合は、通話した5分だけでなく、電話当番として待機していた1時間全体を労働時間として扱い、別に必要な休憩を確保する必要があります。 対策としては、電話当番と休憩を取るスタッフを分ける、休診中の電話を留守番電話に切り替えるなど、診療体制に合う方法を検討します。緊急の連絡を受ける必要がある場合は、その対応先もあわせて整理しましょう。 午前の診療が長引いたときは、実際の休憩開始時刻を確認する 診療終了後の片付けや記録も見落とさない 午前の診療が予定時刻を過ぎた場合、患者対応を続けているスタッフの休憩は、まだ始まっていません。 また、最後の患者さんが帰った後も、指示された器具の片付け、清掃、診療記録の入力などを行っている場合、その業務時間を確認する必要があります。午後の診療に向けて準備を始めた時刻にも注意しましょう。 「休診に入った時刻」ではなく、各スタッフが実際に業務を終えた時刻と、業務を再開した時刻を把握することが大切です。 事例: 勤務表では1時間、実際には40分しか休めなかったクリニック 午前の診療を午後1時まで、午後の業務開始を2時とし、その間の1時間を休憩としていたとします。 ところが、午前の診療が延長し、看護師が患者対応と片付けを終えたのは1時20分でした。午後の業務は予定どおり2時から始めたため、実際に休めたのは40分です。 この日は、1時間の休憩を自動で差し引くのではなく、実際に取れた40分を記録します。ほかに休憩を取っていなければ、1日の実労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくともあと5分、8時間を超える場合は少なくともあと20分の休憩を、勤務の途中に確保する必要があります。 診療延長が続く場合は、休憩が短くなる状態をそのままにせず、午後の業務開始時刻や交代体制、予約・受付の運用などを見直しましょう。 昼休み中に働いた時間は、給与計算にも反映する 労働時間の算入と、割増賃金の要否を分けて考える 休憩として差し引いていた時間が実際には労働時間であれば、勤怠記録を修正し、賃金計算に反映させる必要があります。 ただし、昼休み中に働いた時間が、すべて一律に割増賃金の対象になるわけではありません。所定労働時間を超えたか、法定労働時間を超えたか、採用している労働時間制度などを踏まえて判断します。 クリニックなどの保健衛生業では、常時使用する労働者が10人未満の事業場に、週44時間の特例が適用される場合があります。ただし、特例の適用があるからといって、雇用契約などで定めた勤務時間を超えて働いた分の賃金が不要になるわけではありません。なお、この特例は週の法定労働時間に関するもので、1日の法定労働時間は原則8時間です。自院に適用される法定労働時間と、契約上の勤務時間を分けて確認しましょう。 まず実際の労働時間を把握し、そのうえで追加の賃金や割増賃金の要否を確認することが重要です。 賃金を支払っても、休憩不足は解消しない 「昼休みに働いた分を支払えばよい」と考えるだけでは不十分です。 電話対応や診療延長によって必要な休憩を取れていなければ、賃金の支払いとは別に、勤務の途中で休憩を確保しなければなりません。厚生労働省も、昼当番で休憩時間が費やされた場合は、別途休憩を与える必要があると説明しています。 労働時間に対する賃金の支払いと、必要な休憩の確保は、両方に対応する必要があります。 院長が見直したい、昼休みの運用と勤怠管理 電話・患者対応の担当と、休憩時間を分ける まず、昼休みに発生している業務を洗い出しましょう。 ・電話や患者さんへの対応 ・午前の診療後の清掃・片付け ・診療記録の入力や事務処理 ・午後の診療準備 ・院内ミーティングや、参加を求める研修 そのうえで、どの業務を誰が担当し、いつ休憩を取るかを整理します。 クリニックが属する保健衛生業は、休憩を全員に一斉に与える原則の適用除外となるため、交代で休憩を取る運用も可能です。ただし、それぞれのスタッフに必要な長さの休憩を確保することは変わりません。 休憩に入るスタッフには電話対応などを求めず、担当者への引継ぎ方法を決めておくと、仕事から離れやすくなります。 休憩の自動控除を、実態に合わせて修正できるようにする 勤怠システムで「毎日1時間の休憩を自動控除する」と設定している場合は、実際の休憩との差を確認しましょう。 診療が延びた日や電話当番の日も同じ時間を差し引いていると、労働時間が記録に反映されないことがあります。休憩の開始・終了を記録する、変更があった日は修正申請するなど、実態を反映できる仕組みを整えることが必要です。 スタッフが申告していないからといって、予定どおり休めているとは限りません。院長や管理担当者も、診療の終了時刻や昼休み中の業務を確認しましょう。 少人数のクリニックほど、曖昧な役割を残さない 「電話に気づいた人が出る」「手が空いている人が準備する」という運用は、柔軟に見えても、特定のスタッフに負担が偏ることがあります。 例えば、受付の近くで食事をするスタッフだけが毎日電話に出ていれば、ほかのスタッフと同じ休憩時間を差し引くことに不満が生じるかもしれません。 誰が何を担当し、担当した時間をどう記録するかを明確にすることで、賃金計算の行き違いやスタッフ間の不公平感を防ぎやすくなります。 クリニックの昼休みを、実際に休める時間にするために クリニックの昼休みが労働時間に当たるかは、休診時間の設定だけでは判断できません。電話当番として待機していないか、診療延長や準備で休憩が短くなっていないかを、スタッフごとに確認することが大切です。 見直しは、次の3点から始めましょう。 ①昼休み中に行っている業務と、対応を求めている範囲を確認する ②実際に取れた休憩と労働時間を、勤怠記録・給与計算に反映する ③必要な休憩を確保できるよう、担当や診療の運用を調整する 当事務所では、クリニックの労務管理について、診療体制やスタッフの勤務実態を踏まえたご相談を承っています。 豊島区や周辺地域で、「昼休みを一律に差し引いてよいか分からない」「電話当番の扱いや給与計算に不安がある」とお考えの院長は、ご相談ください。顧問契約を通じた継続的な相談も含め、クリニックの実情に合った労務管理を一緒に考えていきます。
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豊島区で社会保険労務士をお探しの方へ|顧問契約前に確認したい5つのポイント
「従業員が増え、社会保険の手続きや給与計算に時間がかかるようになった」「従業員への対応について、気軽に相談できる専門家がほしい」。こうした理由から、豊島区で社会保険労務士を探している経営者・労務担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。 社会保険労務士との顧問契約は、日々の手続きや労務管理を継続的に支えてもらうための契約です。ただし、対応する業務や相談方法、料金に含まれる範囲は、事務所や契約内容によって異なります。 大切なのは、料金や所在地に加えて、自社が必要とする支援を受けられるかを確認することです。この記事では、顧問契約前に確認したい5つのポイントを、具体的な事例とともに解説します。(本文中の事例は、確認のポイントを説明するための架空のケースです。) ポイント① 自社の課題に合った支援を受けられるか 「何を任せたいか」「何を相談したいか」を整理する 社会保険労務士を探す前に、まずは自社で困っていることを整理しましょう。 例えば、次のような課題が考えられます。 ・入退社に伴う社会保険・雇用保険の手続きを任せたい ・給与計算の負担やミスを減らしたい ・休職、退職、従業員への指導について相談したい ・就業規則を実際の働き方に合わせて見直したい ・経営者が兼務している労務管理を整理したい 手続きの代行を中心に依頼したい会社と、従業員への対応について継続的な助言を求める会社では、必要な支援が異なります。 「労務管理全般をお願いします」と伝えるだけでなく、今困っている場面を具体的に説明すると、自社に必要な支援を受けられるかを確認しやすくなります。 事例: 手続きよりも、従業員への対応に困っていた会社 従業員12人の会社で、社長が社会保険の手続きも担当していたとします。当初は手続きの外注を考えていましたが、相談の中で、最も負担になっていたのは「欠勤が続く従業員にどう対応するか」「急な退職の申し出を受けたときに何を確認するか」という判断だと分かりました。 この場合は、手続き代行の範囲だけでなく、日常の労務相談をどこまで受けられるかが重要です。 依頼したい作業と、判断に迷っている問題を分けて整理することが、自社に合う顧問契約を選ぶ第一歩になります。 ポイント② 誰に相談でき、どのように対応してもらえるか 担当者と相談の進め方を確認する 顧問契約では、相談する相手や、回答までの進め方も確認しておきたいポイントです。 代表の社会保険労務士が直接対応するのか、担当者が窓口になって必要に応じて専門家につなぐのかなど、事務所によって体制は異なります。どちらがよいかは、自社が求める対応によって変わります。 契約前の面談では、次の点を確認しましょう。 ・普段の相談窓口となる担当者 ・担当者が不在の場合の対応 ・相談内容や過去の経緯を共有する仕組み ・複雑な問題が生じた場合の対応方針 また、こちらの話を十分に聞いてくれるか、専門用語を分かりやすく説明してくれるかも、継続して相談するうえで大切です。 事例: 一般的な説明だけでは、次の行動が決められなかった会社 就業規則では始業時刻を午前9時と定めているものの、現場では従業員ごとに出勤時刻を変えている会社が、「今の運用で問題ありませんか」と相談したとします。 制度の一般的な説明だけでは、経営者は何から確認すればよいか判断できません。「まず実際の勤務時間と勤怠の記録方法を確認する」「次に就業規則や雇用契約の内容とのずれを整理する」といった進め方が示されると、行動に移しやすくなります。 契約前の相談では、自社の状況を理解しようとしてくれるか、解決に向けてどのような確認や支援が必要かを説明してもらえるかを確認してみましょう。 ポイント③ 連絡方法と対応時間が、自社の働き方に合っているか 相談しやすさを具体的に確かめる 「いつでも相談できる」と聞いていても、利用できる連絡方法や受付時間を確認していなければ、必要なときに連絡しにくいことがあります。 電話、メール、チャット、オンライン面談など、どの方法に対応しているかを確認しましょう。あわせて、通常の回答までの目安や、急ぎの相談をする際の連絡方法も聞いておくと安心です。 例えば、日中は接客や現場対応で電話に出にくい会社なら、文章で相談内容を送れる方法が便利です。一方、背景が複雑な問題は、面談で状況を整理する方が進めやすい場合もあります。 事例: 電話のタイミングが合わなかった会社 店舗を運営する会社で、経営者が相談できる時間と、事務所の電話対応時間が合わず、やり取りに日数がかかっていたとします。 メールで相談内容と関連資料を先に送り、必要な場合だけ電話の時間を予約する方法であれば、双方の負担を減らせる可能性があります。 重要なのは、連絡手段の多さではなく、自社が無理なく相談を続けられる方法があるかです。相談受付と即時回答は同じではないため、緊急時の対応についても事前に確認しましょう。 ポイント④ 顧問料に含まれる業務と、追加費用が明確か 月額料金だけで比較しない 顧問料を比較する際は、金額とあわせて、含まれる業務を確認します。 労務相談のみの契約もあれば、社会保険・労働保険の手続き代行を含む契約もあります。給与計算、就業規則の作成・改定、助成金申請などは、別契約や追加料金となる場合があります。 見積書や契約書では、次の点を確認しましょう。 ・顧問料に含まれる相談・手続きの範囲 ・給与計算を依頼する場合の料金 ・年間で発生する手続きの料金 ・就業規則の作成・改定などの追加費用 ・従業員数が増えた場合の料金変更 ・契約期間、更新、解約の条件 事例: 月額料金は低くても、必要な業務が別料金だった会社 二つの事務所の見積もりを比較したところ、一方の月額料金が低かったとします。しかし、内容を確認すると、その会社が依頼したい給与計算や一部の年間手続きは、別料金でした。 もう一方は月額料金が高めでも、必要な業務の一部が含まれていました。 このような場合は、月額料金だけでは判断できません。依頼する業務や相談体制の違いを確認したうえで、年間の総費用を比較することが大切です。 ポイント⑤ 豊島区での面談・訪問に対応できるか 所在地と、実際の対応範囲を確認する 豊島区で社会保険労務士を探す際、事務所の近さは判断材料の一つになります。対面で話したい場合や、職場の状況を見てもらいたい場合には、訪問や来所のしやすさも確認しましょう。 ただし、事務所が近くにあることと、定期訪問が契約に含まれることは別です。 池袋、大塚、巣鴨、目白など、自社の所在地を伝えたうえで、訪問の可否、頻度、交通費や面談費用の扱いを確認すると、契約後の行き違いを防げます。 事例: 対面とオンラインを使い分けたい会社 普段の手続きはメールで進めたい一方、就業規則の見直しや複雑な従業員対応については、対面で相談したい会社があるとします。 この場合は、毎月の訪問が必要とは限りません。日常のやり取りはオンラインで行い、必要なときに訪問や来所で面談する方法も考えられます。 どのような場面で対面の相談を希望するかまで伝えることで、自社に合った相談体制を検討しやすくなります。 顧問契約前の相談では、実際に困っていることを伝えましょう 事務所のホームページや料金表を確認することも大切ですが、それだけでは、実際の相談の進め方まで分からないことがあります。 契約前の面談では、「従業員の休職にどう対応すればよいか迷っている」「給与計算を経営者が行っており、負担が大きい」など、具体的な課題を一つ伝えてみましょう。 その際、会社の規模や現在の管理方法を確認してくれるか、対応できる範囲を明確に説明してくれるか、相談を進めるために必要な資料を案内してくれるかを見ると、継続して相談するイメージがつかめます。 相談内容を整理するために、従業員数、業種、現在の担当者、外注したい業務、判断に迷っている問題を簡単にまとめておくと、限られた面談時間を有効に使えます。 豊島区で、会社の実情に合う顧問社労士をお探しの方へ 社会保険労務士との顧問契約を選ぶ際は、次の5点を確認しましょう。 ①自社の課題に合った支援を受けられるか ②誰に相談でき、どのように対応してもらえるか ③連絡方法と対応時間が、自社の働き方に合っているか ④顧問料に含まれる業務と、追加費用が明確か ⑤面談・訪問の方法が、自社の希望に合っているか 顧問契約の価値は、必要な手続きを任せることに加え、会社の事情を共有した専門家に、継続して相談できることにもあります。従業員への対応や制度の見直しについて、経営者・担当者だけで判断を抱え込まずに進められる体制を整えましょう。 豊島区や周辺地域で社会保険労務士をお探しの方は、当事務所へご相談ください。現在のお困りごとやご希望を伺い、顧問契約で対応できる業務、相談方法、費用をご案内します。 「どの業務を任せるべきか分からない」という段階でも、まずは現在の状況をお聞かせください。自社で行う業務と、専門家の支援を受ける業務を一緒に整理していきます。
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従業員が休職するときの会社の対応は?手続き・休職中・復職時の注意点
「従業員から、しばらく仕事を休みたいと言われた」「診断書を受け取ったものの、何から対応すればよいか分からない」。従業員の休職は、どの会社でも起こり得る出来事です。 特に、人事・労務の専任担当者がいない中小企業では、経営者や直属の上司が対応することも少なくありません。本人を気遣う一方で、仕事の引継ぎや給与の扱い、復職の判断など、決めなければならないことが次々に出てきます。 大切なのは、従業員の療養への配慮と、会社として必要な確認・手続きを両立させることです。この記事では、病気やけがによる休職を中心に、会社の対応を事例とともに解説します。(本文中の事例は、対応のポイントを説明するための架空のケースです。) 従業員から休職の申し出があったら、最初に確認すること 診断書と就業規則を確認する 従業員から休職の申し出があったときは、まず本人の話を落ち着いて聞き、体調によって仕事にどのような支障が出ているか、医師からどのような指示を受けているかを確認します。病気やけがの場合は、必要に応じて診断書の提出を求め、療養が必要な期間などを把握しましょう。 あわせて確認したいのが、会社の就業規則です。私傷病による休職制度は、法律で一律に設置が義務付けられている制度ではありません。対象者や休職期間、復職の手続きなどは、自社の規定を確認して対応する必要があります。 例えば、次の事項を確認します。 ・休職の対象となる従業員と、休職に入る条件 ・欠勤期間と休職期間の関係 ・休職できる期間と、延長の可否 ・休職中の給与の扱い ・復職の申請方法と判断の手順 ・休職期間が満了した場合の扱い 診断書に記載された療養期間と、会社の制度上の休職期間は、分けて確認することが重要です。 【事例】 診断書の「1か月の療養」を、そのまま休職期間にした会社 従業員15人の会社で、営業担当者から「10月1日から1か月の療養を要する」と記載された診断書が提出されたとします。社長は「では、10月1日から1か月休職してください」と伝えましたが、就業規則では「私傷病による欠勤が30日を超え、引き続き療養が必要な場合に休職とする」と定めていました。 この場合、医師が示した療養開始日が、そのまま就業規則上の休職開始日になるとは限りません。扱いを整理しないまま療養が長引くと、休職期間をいつから数えるのかについて、本人と会社の認識が食い違うおそれがあります。 まずは療養のために休む必要性を受け止め、そのうえで就業規則に沿って、欠勤となる期間と休職の開始日を確認し、本人に説明しましょう。 休職開始時に会社が行う手続きと説明 決定した内容を文書で伝える 休職が決まったら、開始日・終了予定日、給与の扱い、連絡先、必要書類、復職の手続きなどを、通知書や案内文にまとめて本人に伝えます。 療養に入る際は、体調や今後の生活への不安から、一度に多くの説明を受けても整理しきれないことがあります。後から確認できる文書にまとめておくと、本人の不安を減らし、会社側も説明漏れを防げます。 引継ぎについても、療養が必要な従業員に無理をさせない配慮が必要です。本人に対応を求める前に、共有フォルダや業務記録などから会社側で確認できる情報を整理しましょう。 給与・社会保険料・傷病手当金を分けて説明する 休職中のお金については、「給与が出るか」だけでなく、本人が負担する費用や利用できる給付も含めて説明します。 私傷病休職中に給与を支給するかどうかは、就業規則や労働契約などの定めを確認します。 また、健康保険・厚生年金の資格が続いている場合、私傷病による休職では、原則として無給でも社会保険料の負担が続きます。給与から本人負担分を控除できない場合は、会社への振込みなど、支払い方法と期限をあらかじめ本人に説明しておきましょう。 業務外の病気やけがで働けず、給与が十分に支払われない場合には、健康保険の傷病手当金を受けられる可能性があります。連続する3日間の待期を含めて4日以上働けなかったことなどの要件があり、支給期間は支給開始日から通算1年6か月です。 傷病手当金を受けられる期間と、会社で休職できる期間は一致するとは限りません。傷病手当金の支給期間が通算1年6か月であっても、会社の休職期間が同じ長さになるわけではありません。 【事例】 無給の説明だけで、社会保険料の案内を忘れた会社 休職に入る従業員に「来月から給与は支給されません」と説明したものの、社会保険料の支払いについて案内していなかった会社がありました。 翌月、会社が本人負担分の振込みを求めると、従業員は「収入がなくなるのに、支払いが必要とは聞いていなかった」と戸惑いました。 こうした行き違いを防ぐには、休職開始時に「支給されるもの」「本人が支払うもの」「申請が必要なもの」を分けて説明すると分かりやすくなります。傷病手当金についても、申請から入金までの時間を考慮し、早めに手続きを案内しましょう。 休職中は、本人との連絡と社内の業務調整を行う 連絡窓口・方法・頻度をあらかじめ決める 休職中は、療養を妨げない範囲で、体調の経過や療養期間の見通しを確認します。 ただし、連絡の頻度に一律の正解はありません。本人の状態や医師の意見などを踏まえ、「誰が」「どの方法で」「いつ頃」連絡するかを決めておくと、双方の負担を減らせます。 例えば、総務担当者を窓口にし、本人が対応しやすいメールで定期的に状況を確認する方法が考えられます。療養期間の変更などがあった場合の連絡方法も、あわせて共有しておきましょう。 【事例】 複数の上司から連絡が届き、従業員の負担になった会社 メンタル不調で休職した従業員に対し、社長、直属の上司、総務担当者が、それぞれ心配して連絡していました。 一人ひとりは気遣いのつもりでも、本人には繰り返し状況を説明する負担が生じていました。また、上司からの「いつ戻れそうですか」という質問が、復職を急かされているように感じられることもありました。 このケースでは、連絡窓口を一人にまとめ、本人への確認事項を集約することで、重複した連絡を減らせます。確認した内容は、対応に必要な担当者に限って共有します。気遣いを本人の負担にしないためにも、連絡体制の整理が必要です。 周囲の従業員には、業務上必要な情報を共有する 休職者が出ると、周囲の従業員に業務が集中することがあります。担当業務を棚卸しし、分担の変更や優先順位の見直しを行いましょう。 その際、病名や治療内容を詳しく伝える必要があるとは限りません。本人の意向を確認し、業務調整に必要な情報と健康に関する情報を区別して、共有する相手や範囲を絞ることが大切です。 復職時は、診断書と実際の仕事内容を踏まえて判断する 「復職可能」という診断書に加え、業務上必要な配慮を確認する 従業員から復職の申し出があったときは、就業規則に沿って必要書類や面談の手続きを進めます。 特にメンタル不調の場合、主治医の「復職可能」という判断が、職場で必要とされる業務遂行能力の回復まで確認したものとは限りません。仕事内容や勤務条件を踏まえて、復職の可否や必要な配慮を検討することが重要です。 本人の同意を得て、主治医に業務内容を伝えたり、産業医等の意見を確認したりすることも検討します。会社だけで医学的な判断をせず、医療面の意見と職場の状況をすり合わせましょう。 正式な復職の前に、職場に通うことや職場環境に慣れることを目的とした「試し出勤」を取り入れる場合もあります。実施する際は、目的や期間、実施内容、賃金の有無、事故が起きた場合の対応などを事前に整理し、本人と共有しておきます。実際に業務を行わせる場合は、名称が「試し出勤」であっても、労働時間や賃金の扱いを適切に判断する必要があります。 【事例】 営業職への復職で、仕事内容の認識が食い違った会社 営業担当者から「復職可能」と書かれた診断書が提出されました。会社は、以前と同じように外回りや出張を任せる予定でしたが、本人は「当面は社内業務から始められると思っていた」と話しました。 診断書だけでは、長時間の移動や顧客対応が可能か、残業を避ける必要があるかなどが分からなかったのです。 このような場合は、「営業職に戻れるか」という大まかな確認ではなく、長時間の移動や顧客対応が可能か、勤務時間に制限が必要かなど、実際の仕事内容に沿って確認します。そのうえで、会社が実施できる配慮を検討し、復職後の担当業務と、その内容を見直す時期を本人と共有しておきます。 復職後も、負担を確認して対応を見直す 復職は、対応の終わりではありません。勤務を再開してから初めて分かる負担もあります。 必要に応じて業務量や残業、出張などを調整し、定期的に本人と状況を確認します。復職後に短時間勤務を取り入れる場合は、勤務時間や賃金、実施期間、通常勤務に戻す際の確認方法などを事前に整理しておきましょう。 周囲の従業員への業務配分もあわせて見直すことで、復職者と職場の双方が無理なく働ける体制を目指します。 休職期間が満了しても復職できない場合は、慎重に対応する 就業規則に「休職期間満了時に復職できない場合は退職とする」と書かれていても、期限が来たことだけで機械的に処理するのは避けましょう。 復職できる状態か、配置の変更などによって働ける可能性があるかについて、医師の意見や契約上の仕事内容、会社の状況などを踏まえた検討が必要です。厚生労働省も、復職の可否には慎重な判断を求めています。 また、長時間労働やハラスメントなど、仕事が原因となった可能性がある場合には、通常の私傷病休職と同じ前提で扱えないことがあります。 満了直前になって初めて対応を考えると、本人との話合いや必要な確認の時間が不足します。期限から逆算して、診断書の提出や面談の時期を設定し、判断に迷う場合は早めに専門家へ相談しましょう。 従業員の休職に備え、相談できる労務管理体制を整えましょう 従業員の休職では、就業規則に従うだけでなく、本人の状態や職場の事情に応じた対応が必要です。 事例で紹介したように、休職の開始日、社会保険料の支払い、療養中の連絡方法、復職後の仕事内容などについて、会社と本人の認識がずれることがあります。ルールを整え、決めた内容を分かりやすく説明し、記録に残すことが大切です。 当事務所では、就業規則の確認・見直し、休職時の通知書の作成、傷病手当金の申請、復職に向けた手続きの確認などを支援します。医療面の判断については医師と連携し、法的紛争への対応が必要な場合には弁護士との連携も検討します。 顧問契約では、休職の申し出があった段階から、休職中の対応、復職に向けた準備まで、経過に応じて継続的にご相談いただけます。経営者や担当者だけで判断を抱え込まず、必要な確認を進められる体制づくりをお手伝いします。 豊島区や周辺地域で、「初めて従業員の休職に対応する」「今の就業規則で対応できるか不安」とお考えの経営者・労務担当者の方は、当事務所へご相談ください。
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