士業コラム
建設業許可の業種追加はいつ必要?受注前に確認したい要件と準備の進め方

建設業許可の業種追加はいつ必要?受注前に確認したい要件と準備の進め方

「今の許可とは別の工事を頼まれた」「取引先から、もう一つ許可業種を増やしてほしいと言われた」。事業を続けるうちに、取得時には想定していなかった工事の相談を受けることがあります。

建設業許可は業種ごとの制度です。すでに許可を持っていても、新たな工事をそのまま請け負えるとは限りません。北海道知事許可を受けている事業者に向けて、業種追加を検討する場面と、受注前に整理したい要件・資料・日程を解説します。

業種追加は、現在の許可とは別の業種を増やす手続きです

業種追加とは、一般建設業の許可を受けている事業者が、別の業種について一般建設業の許可を申請する場合などの手続きです。例えば、一般建設業の内装仕上工事業を持つ会社が、一般建設業の塗装工事業も取得しようとするケースが考えられます。

ただし、一般建設業の許可だけを持つ会社が、初めて特定建設業の許可を取る場合などは、申請区分が異なります。「業種を増やすから、すべて業種追加」と決めず、現在の許可と、取得したい許可の組合せを確認しましょう。

会社の定款に事業目的を追加することや、営業所の取扱業種を変更することも、業種追加の許可申請と同じではありません。何を変更したいのかによって手続きが変わるため、最初に許可通知書と直近の申請書の控えを確認します。

また、業種追加の申請を提出しただけでは、新たな業種の許可を取得したことにはなりません。許可が必要な工事については、着工日だけでなく、請負契約を結ぶ時点を意識して準備することが大切です。建設業許可は一般に申請から許可取得まではおおむね1か月程度の期間を要しますので、それを逆算して計画的に行う必要があります。

追加の必要性は、工事内容と請負金額から判断します

まず、新たに頼まれた工事が、現在の許可業種に含まれるかを確認します。判断材料は、工事名だけでなく、何を目的に、どの部分を、どのような方法で施工するかです。見積書の内訳、図面、仕様書などを使い、具体的な内容を整理しましょう。

例えば、建物内の通常の空調設備を設置する工事は、機械を据え付ける作業だからといって、当然に機械器具設置工事になるわけではありません。国土交通省の業種区分では、通常の空調機器の設置工事は管工事に区分されています。社内での呼び方と許可業種が一致するかを確かめる必要があります。

次に、許可が必要な規模の工事かを確認します。建築一式工事以外では、工事1件の請負代金が税込500万円未満の軽微な建設工事だけを請け負う場合、建設業許可は必ずしも必要ではありません。500万円ちょうどは、この「未満」に含まれません。

ただし、金額だけで判断せず、注文者から支給される材料や契約の分割など、請負代金の判定に関係する事情も確認します。また、法令上の許可の要否とは別に、取引先が契約条件として該当業種の許可を求める場合もあります。

建築工事業の許可を持っているから、すべての専門工事を単独で請け負えると考えることにも注意が必要です。一方、許可業種の工事に附帯する工事として扱える場合もあります。別業種の作業が少し含まれるだけで直ちに追加が必要とは限りませんが、単独の工事を安易に附帯工事と扱わず、契約内容と施工の関係を確認してください。

追加したい業種に対応する技術者を確認しましょう

一般建設業の業種追加では、新たな業種について営業所技術者の要件を満たすかが重要です。従来「専任技術者」と呼ばれていた役割に当たり、営業所での技術面を担います。現在の業種で要件を満たしていることと、追加する業種でも要件を満たすことは、分けて考えます。

準備の出発点は、候補となる人の資格の正式名称と、資格で対応できる業種の確認です。同じように見える資格でも、種別や区分によって対象業種が異なることがあります。資格によっては、実務経験を併せて確認する必要もあります。

実務経験を使う場合は、追加する業種に関係する工事内容と期間を確認します。建設会社で長く働いていたというだけでは足りず、どの工事に携わったかを資料で説明する必要があります。必要年数は、資格・学歴などの条件によって変わります。

もしご自身で申請をする場合は、資格と実務経験の兼ね合いについては、建設業許可の手引きなどを確認していただき必要な条件や提出書類を把握したうえで申請することが好ましいです。ここで、躓いたら迷わず専門家にご相談下さい。

過去の契約書や注文書・請書などを探す前に、どの要件で申請するかを整理しましょう。証明書に記入する内容と、その内容を裏付ける確認資料の両方が必要になるためです。手元の資料が正式な確認書類として使えるかは、北海道の最新の手引きと申請先の案内で確認します。

さらに、資格証があれば準備完了ではありません。営業所への勤務状況なども確認対象になります。新たな人を配置する場合は、既存業種を担当する人との役割も整理し、従来の許可要件を欠くことがないように検討してください。

申請資料は、現在の届出内容との照合から始めます

業種追加の準備では、新たな技術者の資料だけでなく、現在の許可内容が実態と合っているかも確認します。代表者、役員、営業所の所在地、経営を管理する体制などに変更があった場合は、必要な変更届が提出されているかを確かめます。

毎年の決算報告についても、提出した年度を整理しておきましょう。変更届や決算報告は、業種追加とは別に必要な手続きです。未提出のものがある場合は、追加申請の準備と併せて、申請先に対応を確認します。

最初の相談に向けては、現在の許可通知書、直近の申請書・変更届の控え、決算報告の控え、技術者候補の資格に関する資料、新たに受注したい工事の見積書や仕様書をまとめると、状況を共有しやすくなります。

これらは相談のための基礎資料であり、そのまま正式な提出書類一式になるわけではありません。北海道の手引きでは申請区分ごとに必要書類が整理されています。法人・個人、一般・特定、技術者の要件などに応じて、提出書類と確認資料を選びます。

当事務所では、建設業の新規・更新の許可申請に加え、決算報告も取り扱っています。新たな工事を検討する際は、現在の許可や届出の状況も一緒にお伝えください。追加したい内容と、これまでの手続きの状況を分けて整理することが、準備の見通しを立てるうえで役立ちます。

更新時期と受注予定を並べて日程を考えます

業種追加を考える際は、既存の許可の有効期限も確認してください。業種追加の申請を出せば、現在の許可の更新も自動的に済むわけではありません。更新が近い場合は、同時に申請するか、別々に進めるかを検討します。

北海道には「業種追加+更新」という申請区分があります。ただし、同時申請を考える場合も、既存の許可の更新期限を踏まえた準備が必要です。追加業種の資料収集が長引いて、更新への対応が遅れることのないようにしましょう。

費用も申請の組合せで変わります。北海道知事許可の通常申請では、業種追加の行政手数料は5万円、業種追加と更新を同時に行う場合は10万円と案内されています。一般・特定の両方を申請する場合などは異なるため、自社の区分で確認してください。行政書士に依頼する場合の報酬や、証明書の取得費用などは別に考えます。

例えば、説明用の例として、数か月後に新しい業種の工事契約を予定し、同じ時期に現在の許可の更新も控えている会社を考えてみましょう。この場合は、契約予定日、既存許可の満了日、技術者資料をそろえられる時期を並べます。費用だけで同時申請を選ばず、必要な許可をいつまでに得たいかから検討することが大切です。

業種を増やす前に、受注したい工事と社内体制を整理しましょう

業種追加では、取得する業種の数よりも、実際に受注したい工事と許可の範囲が合っているかが大切です。工事内容、金額、技術者の要件、届出状況、受注日程を順に確認すると、何から着手すべきかが見えてきます。

必要書類と要件を理解し、確認資料もそろっている場合は、自社で申請を進めることもできます。一方、工事の区分が分からない、資格が追加業種に使えるか判断できない、過去の資料が不足している、更新が近い場合は、早めに行政書士へ相談することが望ましいでしょう。

当事務所は、相談者のお話を丁寧に伺い、状況を把握することを大切にしています。初回60分の無料相談やオンライン相談に対応し、相談後は見積りを確認してから依頼を検討できます。新たな工事の話が出た段階で、「どの工事を、いつから請け負いたいか」をお聞かせください。

上富良野町や富良野地方で建設業の事業拡大を考えている方は、まず現在の許可通知書と、新たに受注したい工事の資料を確認してみましょう。契約前に必要な準備を明確にすることが、無理のない受注計画につながります。

対応エリア
上富良野町、中富良野町、富良野市、美瑛町、旭川市、芦別市、赤平市、滝川市など

本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、行政書士加藤隆行事務所までお問い合わせください。

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