建設業許可に社会保険は必要?個人事業主の適用除外と申請前の確認

「建設業許可を取りたいけれど、国民健康保険のままでよいのか」「従業員が少なくても厚生年金に入らなければならないのか」。申請準備で、保険の扱いに迷う方もいるのではないでしょうか。
建設業許可では、加入義務のある社会保険に適切に加入していることが必要です。ただし、法人と個人事業主では扱いが異なり、すべての事業者に同じ加入を求めるものではありません。北海道知事許可を検討する方に向けて、加入義務と適用除外を分ける考え方、申請前の確認事項を解説します。
建設業許可では、三つの保険を分けて確認します
許可要件として確認するのは、健康保険、厚生年金保険、雇用保険です。適用事業所に該当するすべての営業所で、必要な届出・加入をしていることが求められます。適用事業所に当たらないなどの理由で届出が免除される営業所は、その限りではありません。
大切なのは、「未加入」という言葉だけで判断しないことです。加入義務があるのに手続きをしていない状態と、制度上その保険の適用対象にならない状態は異なります。後者を説明するときに使われるのが「適用除外」という考え方です。
また、健康保険と厚生年金保険の扱いを確認しただけでは、雇用保険の判断は終わりません。「従業員が少ないから保険はすべて不要」「国民健康保険に入っているから問題ない」とまとめず、保険ごとに確認しましょう。
なお、労災保険はここで挙げた三つとは別に考えます。労災保険への加入や特別加入だけで、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の要件まで満たすわけではありません。
個人事業主と法人では、加入の判断が変わります
個人の建設業では、常時使用する従業員数などを確認
個人で営む建設業の事業所では、常時5人以上の従業員を使用する場合、原則として健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所になります。一方、常時5人未満の場合は原則として強制適用の対象外ですが、任意適用の手続きをしている場合もあります。
ここでいう人数は、現場に出入りする人を単純に数えたものではありません。事業主本人、従業員、外注先の一人親方など、誰がどの立場で働いているかを整理する必要があります。家族が手伝っている、短時間勤務の人がいるといった場合も、人数だけで結論を出さず、実態を年金事務所などに確認してください。
健康保険・厚生年金保険の強制適用に当たらない個人事業主が、国民健康保険と国民年金に加入している場合、建設業許可のために必ず法人と同じ保険へ切り替えるということではありません。ただし、従業員については雇用保険の加入義務を別に確認します。
法人は、社長一人でも確認が必要
法人の事業所は、事業主のみの場合を含め、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所になります。「従業員を雇っていない」「小さな会社である」という理由だけでは、対象外と判断できません。代表者の報酬や勤務実態など、被保険者に関する確認も必要です。
個人事業を会社にした場合も、以前の保険のままでよいとは限りません。法人成りを予定している方は、会社設立、保険手続き、建設業許可の申請をどの順で進めるか、早い段階から検討しましょう。
また、建設国保などの国民健康保険組合に加入している場合は、健康保険の適用除外承認を受けて加入を続ける仕組みがあります。ただし、組合への加入だけで自動的に承認されるわけではなく、厚生年金保険も不要になるわけではありません。現在の加入先と年金事務所に、必要な手続きを確認してください。
従業員を雇っている場合は、雇用保険も確認します
雇用保険は、原則として、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある労働者が対象です。昼間学生などの例外もあるため、雇用契約や働き方に沿って判断します。
例えば、個人事業で従業員が2人の場合、健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所でなくても、その2人が雇用保険の対象になることはあります。「5人未満だから、雇用保険にも入らなくてよい」という理解は適切ではありません。
反対に、従業員を雇っていない個人事業主本人や、法人の代表取締役は、原則として雇用保険の被保険者になりません。役員と従業員では立場が異なります。兼務役員や同居親族など、判断に条件がある場合は、ハローワークへ実態を伝えて確認しましょう。
北海道の建設業では、季節に応じた雇用をしていることも考えられます。季節雇用には別の取扱いがあるため、雇用期間だけを一般的な基準に当てはめて判断せず、契約期間、週の労働時間、翌期の雇用予定なども整理することが大切です。
当事務所での取扱いとして、実務上多いのが3月・4月頃に雇入れして、降雪により工事が不能になる11月末や12月の上旬などに契約期間が満了するというような雇用体系にしている事業主様が多く存在します。
こちらは短期雇用特例被保険者という雇用保険の制度で、このような雇用体系を検討されている方はハローワークにご相談下さい。また、当事務所でも労働保険事務組合を併設しておりますのでご不明な点はご相談に応じます。
申請準備は、働く人の一覧と保険関係の控えから
最初に、個人・法人の別、営業所、働いている人の立場、雇用開始日、所定労働時間、現在の加入保険を整理します。外注先についても、従業員との区別が実態に合っているかを確認しましょう。契約書の名称だけで雇用か請負かが決まるものではありません。
次に、事業所の加入手続きや保険料の納付に関する通知・控えなど、現在手元にある資料を確認します。北海道の申請様式には「健康保険等の加入状況」があります。何を記載し、どの資料で裏付けるかは、最新の手引きと申請先の取扱いを照合してください。
資料に書かれた事業所名や所在地が古い、個人から法人へ変わった後の手続きが分からない、労働保険事務組合へ委託しているため控えが手元にない、といった事情も、早めに整理したい点です。加入済みという認識だけで進めず、現在の申請者について説明できる状態にします。
加入義務があるのに未手続きと分かった場合は、保険の窓口で必要な対応を確認し、許可申請の予定を見直します。許可を取ってから加入すればよいと考えたり、適用除外として申請書を埋めたりしてはいけません。
例えば、個人で内装工事を営み、常勤の従業員2人を雇っている方が初めて許可を検討するとします。これは説明のための架空の例です。事業主が国民健康保険・国民年金に加入していても、その情報だけで申請の可否は決まりません。従業員の雇用保険、事業所の適用関係、確認資料を分けて調べる必要があります。
当事務所では、地元の建設業者を中心に、新規・更新の建設業許可申請を取り扱っています。初めからすべての証明書を取得するのではなく、現在の事業の形態や手元の資料をお知らせください。お話を伺いながら、許可申請に向けて確認する事項を整理します。
保険とほかの許可要件を、並行して整えましょう
社会保険の確認が終わっても、それだけで許可を受けられるわけではありません。経営を管理する体制、営業所技術者等の資格・経験、財産的基礎など、ほかの要件も確認が必要です。保険の手続きだけ先に進めても、経験を証明する資料が不足していれば、申請時期は変わる可能性があります。
適用関係と確認資料が明確であれば、最新の手引きに沿って自分で申請準備を進めることもできます。一方、法人成りを予定している、雇用と外注の区別が曖昧、過去の加入手続きが分からない場合は、行政書士と関係窓口に早めに相談すると、必要な対応の順序を検討しやすくなります。
保険制度の適用や加入手続きは、年金事務所・ハローワーク、必要に応じて社会保険労務士などに確認し、建設業許可の準備と調整しましょう。当事務所の許認可申請は、時間に余裕を持って進める方針です。取引先から取得時期を示されている場合も、準備段階から予定をお伝えください。
ご相談は完全予約制で、オンライン相談にも対応しています。現場の仕事で来所の時間を取りにくい方も、相談日時と方法をご検討いただけます。まずは加入している保険と働く人の状況を整理し、支援内容と見積りを確認したうえで、ご依頼をご検討ください。
対応エリア
上富良野町、中富良野町、富良野市、美瑛町、旭川市、芦別市、赤平市、滝川市など
本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、行政書士加藤隆行事務所までお問い合わせください。
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個人の建設業者が亡くなったら?許可を引き継ぐための手続きと期限
個人事業主として建設業を営んでいた親が突然亡くなり、家族が事業を引き継ぐことになった場合、「これまでの建設業許可をそのまま使えるのか」と戸惑うことがあります。工事の契約や従業員の雇用が続いていれば、許可の扱いを早急に確認する必要があります。これは、家族や親族で営む建設業者には意外と良くあることです。 建設業法には、個人事業主の死亡に伴い、一定の条件で建設業者としての地位を相続人へ承継できる認可制度があります。ただし、相続人であれば誰でも自動的に許可を引き継げるわけではありません。ここでは、死亡後の期限、後継者の要件、必要な準備と注意点を整理します。 個人事業主の建設業許可は相続できるのか 許可は自動的には移らない 建設業許可は、事業で使用していた車両や機械のように、相続によって当然に名義が変わるものではありません。亡くなった方が個人名義で許可を受けていた場合、事業を継続する相続人は、建設業法に基づく相続の認可を検討する必要があります。 認可を受けると、原則として被相続人の建設業者としての地位を承継できます。単に屋号を引き継ぐだけでは足りず、許可行政庁による審査が必要です。相続人が事業を継続しない場合は、廃業届など別の手続きを確認します。 法人の代表者が亡くなった場合とは異なる 会社名義で建設業許可を受けている法人の代表者が亡くなっても、許可の主体である法人自体は通常そのまま存続します。この場合は代表者変更の届出や、経営業務の管理体制などの許可要件を維持できるかの確認が中心です。本記事の相続認可は、あくまで個人事業主名義の建設業許可を対象とします。 死亡後30日以内の申請期限を確認する 30日は準備を始める期限ではなく申請期限 建設業許可の相続認可を受けようとする相続人は、被相続人の死亡後30日以内に許可行政庁へ申請する必要があります。遺産分割協議や相続税の申告とは別の期限です。葬儀や取引先への連絡が優先される時期ですが、許可の承継を希望する場合は早めに確認しましょう。 例えば、父親が個人で建設業を営み、子が工事を引き継ぐ予定であっても、家族内で「いずれ子が継ぐ」と決めるだけでは認可申請になりません。死亡日、現在の許可内容、相続人の状況を速やかに整理することが重要です。 申請中の事業継続と不認可のリスク 期限内に相続認可を申請した場合、申請に対する処分があるまで、相続人は許可を受けたものとして扱われる仕組みがあります。ただし、申請すれば必ず認可されるという意味ではありません。認可されなかった場合の工事受注や施工体制にも影響するため、許可要件の確認を後回しにしないことが大切です。 誰が引き継ぐかと許可要件を確認する 複数の相続人がいる場合 相続人が複数いる場合には、建設業者としての地位を誰が承継するのかを明確にする必要があります。事業用資産を誰が取得するかという民法上の遺産分割と、建設業許可の認可審査は区別して考えます。相続人間の意思確認や必要書類の整備が遅れると、短い申請期限に間に合わないおそれがあります。 後継者自身が要件を満たせるか 相続認可では、承継する側が建設業許可の要件を満たすかも審査されます。特に確認したいのは、経営業務の管理を適正に行う体制、営業所技術者等の配置、財産的基礎、適切な社会保険への加入状況、欠格要件などです。 亡くなった事業主が経営管理や技術面の要件を一人で担っていた場合、後継者がそのまま同じ役割を果たせるとは限りません。資格証や実務経験の記録、過去の工事契約書などを集め、どの要件を誰が満たすか確認します。従業員に有資格者がいる場合でも、営業所における常勤性などを別途検討する必要があります。 特に個人事業主の場合では、ご子息などの相続人になる方にその業務を引き継ぐ場合には、経営管理の要件を疎明するのが非常に困難です。ですので、ご自身が元気なうちからご子息との雇用関係等を含めて、事業継承にするにあたってしっかり考えておかないと建設業許可が存続できない恐れがあり、ひいては事業の継続が困難になる恐れがあります、 申請前に整理したい書類と対応順序 最初に手元の許可情報を確認する まず、建設業許可通知書、許可番号、許可業種、一般・特定の区分、有効期間、営業所の所在地を確認します。決算変更届や過去の変更届の控えも集め、許可行政庁に届け出ている内容と現在の事業実態に相違がないか調べます。 次に、死亡の事実と相続関係を示す戸籍関係資料、後継者の本人確認資料、経営体制や技術者の資格・経験を示す資料などを整理します。必要書類は申請先や事業の状況によって異なるため、最新の手引きで確認してください。 工事と取引先への影響も整理する 進行中の工事、今後の入札・見積り、元請会社との契約、従業員の配置について一覧を作ると、優先して確認すべき事項が見えてきます。許可の承継とは別に、請負契約上の地位や金融機関との契約などに個別の対応が必要となる場合もあります。 北海道知事許可の場合は、主たる営業所の所在地を管轄する総合振興局・振興局の担当窓口と申請方法を確認します。営業所が複数の都道府県にあるなど国土交通大臣許可に該当する場合は、申請先も異なります。 相続認可が難しい場合と相談のタイミング 後継者に必要な経営経験や技術者の配置体制がない、相続人間で承継者が決まらない、許可内容と現在の営業実態が一致していない、といった場合には、認可の可否を慎重に検討する必要があります。期限を過ぎた場合も、従前の許可を当然に使い続けられるとは考えず、新規許可申請の必要性や受注への影響を確認してください。 今までのコラムで述べたとおり、建設業許可の要件については経営管理・営業所技術者など法律などで定められており、相続だからと言って要件が緩和されるわけではありません。 自社で必要書類を整理して申請することも可能ですが、死亡後30日という短い期間に許可要件の確認と資料収集を進めるのは容易ではありません。特に工事が継続している場合は、死亡日が分かった段階で行政書士や許可行政庁へ相談することが有用です。 行政書士加藤隆行事務所では、北海道の建設業者を中心に建設業許可の新規・更新申請などを取り扱っています。個人事業主の死亡に伴う許可承継について相談する際は、許可通知書、直近の届出控え、後継者候補の経歴や資格、進行中の工事の概要を準備すると、確認事項を整理しやすくなります。相続認可申請への個別対応の可否も含め、早い段階で相談先に確認しましょう。
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北海道外に営業所を新設したら?建設業許可の切替えと申請準備
北海道知事の建設業許可を受けている会社が、道外に支店や営業拠点を設けようとするとき、「今の許可のままでよいのか」「新しい営業所でいつから契約できるのか」と迷うことがあります。 営業所を増やすだけのつもりでも、建設業法上の営業所に該当すれば、許可行政庁の変更が必要になる場合があります。ここでは、道外進出を検討する建設会社に向けて、許可区分の判断、営業所の確認、申請準備の順序を説明します。 知事許可のまま道外で工事をすることはできる? 工事現場の所在地と営業所の所在地は別の問題 北海道知事許可を持つ会社であっても、北海道外の工事を請け負い、施工すること自体が直ちに禁止されるわけではありません。知事許可と大臣許可の区分は、工事現場がどこにあるかではなく、建設業を営む営業所をどの都道府県に置くかで決まります。 例えば、上富良野町に営業所があり、そこから道外の工事を受注して施工するだけなら、道外に営業所を設けたことにはなりません。一方、道外に事務所を構え、見積りや請負契約に関する実質的な業務を行うなら、建設業法上の営業所に当たるか検討が必要です。 複数の都道府県に営業所を置く場合 建設業法第3条では、建設業の営業所が1つの都道府県内にのみある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にある場合は国土交通大臣許可とされています。北海道と青森県に建設業の営業所を設けるなら、大臣許可への許可換えが問題になります。北海道内で上富良野町と札幌市に営業所を設ける場合は、所在地が北海道内に収まるため、この理由だけで大臣許可にはなりません。 新設する拠点は建設業法上の営業所に当たる? 名称より実際の業務内容を確認する 「支店」「出張所」「営業所」という名称だけで結論は出ません。建設業法上の営業所には、請負契約の締結を常時行う事務所のほか、見積り、入札など契約締結に関する実体的な行為を行う拠点も含まれ得ます。契約書への押印を本店で行う仕組みでも、道外拠点の実際の役割を確認する必要があります。 反対に、工事現場の連絡だけを行う詰所や、建設工事の請負契約に関わらない事務所は、直ちに建設業法上の営業所とは限りません。ただし、営業所に該当するかどうかは、権限の分担や日常業務の実態を踏まえて判断します。 社内で整理したい確認事項 まず、新拠点で誰が見積書を作り、価格を決め、顧客と契約条件を交渉するのかを整理します。次に、入札参加、契約締結、工事管理、単なる連絡業務のうち、何を担当するかを書き出します。本店との決裁権限の分担、従業員の配置、事務所の使用状況も確認すると、申請の要否を検討しやすくなります。 大臣許可への許可換えで準備すること 変更届だけで済ませない 北海道知事許可の会社が道外に建設業の営業所を設け、大臣許可の対象になる場合は、単なる営業所追加の変更届ではなく、許可換え新規申請を検討します。新たな許可行政庁から許可を受けると、従前の許可は法律の規定により効力を失います。申請中の扱いや新拠点での営業開始時期は、個別の計画を示して所管行政庁に確認してください。 大臣許可では、主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局等が申請先になります。北海道内に主たる営業所がある場合は、北海道開発局の最新の申請案内を確認します。手引きや様式は更新されるため、過去に知事許可を取得した際の書類をそのまま使わないことが大切です。 営業所ごとの技術者と常勤性 建設業の営業所には、許可業種に応じた要件を満たす営業所技術者等の配置が必要です。新設する道外営業所についても、担当者の資格や実務経験、常勤性、他の職務との兼務状況を確認します。北海道の本店にいる技術者の名前を道外営業所にも記載すれば足りる、というものではありません。 また、営業所技術者等の要件だけでなく、経営業務の管理体制、社会保険の適切な加入、財産的基礎など、許可要件を満たす状態を維持できるかも点検します。新拠点の人員配置が決まっていない段階では、申請計画と採用計画を並行して考える必要があります。 申請前に確認したい資料と進め方 拠点開設前に整理する資料 実務上は、現在の建設業許可通知書、許可業種一覧、直近の決算変更届の控え、会社の登記事項証明書、役員・従業員の配置予定表、新営業所の賃貸借契約書や図面、写真、担当者の資格証明資料などを手元に用意すると相談が進めやすくなります。必要書類の正式な範囲は、申請先の最新の手引きで確認します。 道外拠点を開設する理由と時期、見積りや契約を始めたい日、予定する工事の業種、担当する社員も一覧にします。許可換えの検討では、所在地だけでなく、営業所の実態と許可要件の両方が重要だからです。 計画から申請までの順序 最初に、新拠点で行う業務を整理して建設業法上の営業所に当たるか判断します。次に、必要となる許可区分と申請先を確認し、新拠点の営業所技術者等を含む人員配置を点検します。そのうえで、必要書類を収集し、開設日や契約開始予定日と申請日程を調整します。申請から許可までの期間は案件や行政庁によって異なるため、余裕を持った計画が必要です。 少し細部まで述べると、知事許可の場合は北海道ですと各振興局が提出先になります。大臣許可ですと開発局などの国の出先機関に提出します。提出から許可までの処理期間の目安は知事許可だと約1か月ですが、大臣許可だと約3か月の期間を要します。そのため、前述のとおり余裕を持った計画が必要となるわけです。ちなみに当然のことながら、決算や経審なども提出先が変わりますので注意が必要です。 例えば、北海道内に本店がある建設会社が青森県に支店を設ける予定でも、当初は現場連絡だけを担当し、後に見積り・契約業務を始める計画なら、業務内容が変わる時点も重要です。これは説明のための想定例であり、実際の許可判断は個々の業務実態によります。 判断に迷ったら開設計画の段階で相談を 道外で工事をするだけなのか、建設業の営業所を新設するのかによって、必要な手続きは変わります。営業所の業務内容が曖昧なまま拠点を設けると、申請準備や契約開始の予定を見直すことにもなりかねません。特に新拠点の技術者配置、許可換えの要否、申請時期を一度に検討したい場合は、開設前の相談が有用です。 建設業を応援する行政書士として、他都道府県などに事業展開するなどの事業の発展は、業界としても大変喜ばしいことですので、そのような事業主様に関しましても全力でサポートいたします。 行政書士加藤隆行事務所では、公式サイトで建設業許可申請(新規・更新)や経営事項審査を取扱業務として案内しています。道外への拠点展開を検討している場合は、現在の許可内容、新拠点の業務、開設予定日を整理したうえで、許可換えへの対応可否も含めて事前にお問い合わせください。
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一般建設業から特定建設業に変えるには?許可要件と申請の進め方
一般建設業許可を取得して事業を続けてきたものの、元請工事が増え、下請会社に発注する金額も大きくなってきた。このようなとき、「特定建設業許可に切り替えなければならないのだろうか」と迷う経営者の方がいらっしゃいます。 特定建設業許可が必要かどうかは、単純に工事の請負金額や会社の売上高で決まるわけではありません。元請として受注した工事で、下請契約をどのように締結するかが重要です。ここでは、必要となる場面、一般建設業との要件の違い、申請までの確認手順を説明します。 まず確認したい、特定建設業許可が必要になる場面 元請として締結する下請契約の金額が判断の出発点 特定建設業許可は、発注者から直接工事を請け負う元請業者が、その工事について一定額以上の下請契約を締結する場合に必要となります。2026年11月時点の基準は、下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上です。金額は消費税等を含めて判断します。 ここでいう下請契約の合計額とは、同じ元請工事について複数の下請業者に発注する場合、その契約金額を合算したものです。1社当たりの発注額だけを見て判断すると、必要な許可を見落とすおそれがあります。 自社が下請として受注する場合とは区別する 例えば、自社が一次下請として大きな工事を受注し、さらに別の業者に工事の一部を発注する場合でも、特定建設業許可の要否は元請として発注者から直接請け負う場合とは異なります。また、元請として受注する工事の金額が大きくても、自社施工が中心で下請発注額が基準に達しないなら、そのことだけで特定建設業許可が必要になるわけではありません。 なお、特定建設業許可を受ける業種は、実際に元請として請け負い、下請に発注する工事の業種と合わせて検討します。すべての業種を一律に特定建設業へ変更する必要があるとは限りません。 一般建設業から特定建設業に変える際の主な許可要件 財産的基礎は一般建設業より厳しい 特定建設業許可では、原則として欠損の額が資本金の20%を超えないこと、流動比率が75%以上であること、資本金が2,000万円以上であること、自己資本が4,000万円以上であることなどの財産的基礎が求められます。これらは原則としてすべて確認する必要があります。これは一般建設業に比べて相当の経営基盤の安定が求められているためです。 決算書上の数字を見ずに「預金があるから大丈夫」と判断するのは適切ではありません。資本金と自己資本は異なる概念ですし、流動比率は流動資産と流動負債の関係から算定します。直近の財務諸表を使い、どの条件が満たされているかを事前に整理しましょう。 営業所技術者等の資格・経験を確認する 特定建設業許可では、営業所ごとに配置する営業所技術者等について、一般建設業とは異なる要件が課されます。対象業種によっては一級の国家資格等が必要です。一方、一定の指導監督的実務経験などで要件を満たせる場合もあります。ただし、指定建設業では資格要件が限定されるため、業種ごとの確認が欠かせません。 現在の一般建設業許可で技術者として届け出ている方が、そのまま特定建設業の要件を満たすとは限りません。資格者証、合格証明書、過去の工事経歴などを確認し、申請時に必要な証明資料を整理します。 申請前に確認しておきたい3つの事項 1.対象となる工事と業種を整理する まず、今後受注する予定の元請工事について、工事の種類、発注者との契約額、下請に発注する予定の内容と金額を一覧にします。予定している工事が建築一式工事か専門工事かによって、適用される金額基準が異なるためです。 契約前の見積段階であれば、複数の下請見積書を合わせて確認すると判断しやすくなります。受注後に下請発注額が増える可能性も考え、必要な許可を取得できる時期を踏まえて受注計画を立てることが重要です。 2.決算書と技術者の資料を点検する 直近の貸借対照表、資本金の額が分かる資料、技術者の資格証明書、必要に応じて実務経験を裏付ける工事関係書類を準備します。財産要件を満たしていない場合、どの時点の財務状況で審査されるか、改善後にどの資料が必要になるかを申請先に確認する必要があります。 3.許可区分と申請方法を確認する 一般建設業から特定建設業への移行では、既存許可の状況や追加する業種によって、般・特新規などの申請区分が問題になります。単なる変更届で済むと決めつけず、許可行政庁の手引きで申請区分と添付書類を確認してください。 北海道内のみに建設業法上の営業所がある場合は北海道知事許可、複数の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可となります。どちらに該当するかも申請前の確認事項です。 想定例で考える、特定建設業許可が必要かどうか 例えば、北海道内で一般建設業許可を持つ会社が、発注者から直接設備工事を請け負い、その工事について複数の下請業者に合計5,200万円(税込)の工事を発注する予定だとします。この場合、建築一式工事以外の工事であれば、原則として特定建設業許可の必要性を検討しなければなりません。これは説明のための架空の例です。 一方、同じ会社が元請から下請として工事を受注した場合や、元請工事でも下請発注額の合計が基準未満である場合は、同じ結論にはなりません。契約上の立場と実際の下請発注額を分けて整理することが重要です。 「大きな工事だから特定建設業」「一般建設業の許可があるからどのような下請発注でも可能」といった理解はいずれも正確ではありません。発注形態と許可業種を確認したうえで判断しましょう。 特定建設業許可の申請を相談するときの準備 自社で検討する際は、元請工事の契約書・見積書、下請発注予定の一覧、現在の建設業許可通知書、直近の決算書、営業所技術者等の資格・経験を示す資料をそろえると、検討が進めやすくなります。すべての資料が最初からそろっていなくても、まず不足しているものを把握することが大切です。 財産要件を満たしているか判断しにくい場合、対象業種に適した技術者がいるか分からない場合、受注予定の工事までに許可取得が間に合うか確認したい場合は、申請準備の段階で行政書士に相談する意義があります。許可が下りる前に特定建設業許可を要する下請契約を締結しないよう、受注・発注の時期にも注意してください。 この頃は、経審で確認する限りでも、比較的大きな市町村の公共工事については、億を超える請負金額の工事もあり、原材料や燃料の高騰なども相まって特定建設業への需要が高まってきていると言えるでしょう。感覚的には特に土木一式関係や舗装・管工事あたりは特にそのニーズの高まりを感じています。 その他の工事についても受注の状況によっては、特定建設業へのシフトが必要になってくる可能性は十分にあります。個々の事業所の特色に合わせてご検討をしてみて下さい。 行政書士加藤隆行事務所では、地元の建設業者を中心に建設業許可の新規・更新申請などを取り扱っています。一般建設業から特定建設業への移行を検討している方も、現在の許可内容と今後の受注計画を整理したうえで、具体的な申請方法についてご相談ください。
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