北海道外に営業所を新設したら?建設業許可の切替えと申請準備

北海道知事の建設業許可を受けている会社が、道外に支店や営業拠点を設けようとするとき、「今の許可のままでよいのか」「新しい営業所でいつから契約できるのか」と迷うことがあります。
営業所を増やすだけのつもりでも、建設業法上の営業所に該当すれば、許可行政庁の変更が必要になる場合があります。ここでは、道外進出を検討する建設会社に向けて、許可区分の判断、営業所の確認、申請準備の順序を説明します。
知事許可のまま道外で工事をすることはできる?
工事現場の所在地と営業所の所在地は別の問題
北海道知事許可を持つ会社であっても、北海道外の工事を請け負い、施工すること自体が直ちに禁止されるわけではありません。知事許可と大臣許可の区分は、工事現場がどこにあるかではなく、建設業を営む営業所をどの都道府県に置くかで決まります。
例えば、上富良野町に営業所があり、そこから道外の工事を受注して施工するだけなら、道外に営業所を設けたことにはなりません。一方、道外に事務所を構え、見積りや請負契約に関する実質的な業務を行うなら、建設業法上の営業所に当たるか検討が必要です。
複数の都道府県に営業所を置く場合
建設業法第3条では、建設業の営業所が1つの都道府県内にのみある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にある場合は国土交通大臣許可とされています。北海道と青森県に建設業の営業所を設けるなら、大臣許可への許可換えが問題になります。北海道内で上富良野町と札幌市に営業所を設ける場合は、所在地が北海道内に収まるため、この理由だけで大臣許可にはなりません。
新設する拠点は建設業法上の営業所に当たる?
名称より実際の業務内容を確認する
「支店」「出張所」「営業所」という名称だけで結論は出ません。建設業法上の営業所には、請負契約の締結を常時行う事務所のほか、見積り、入札など契約締結に関する実体的な行為を行う拠点も含まれ得ます。契約書への押印を本店で行う仕組みでも、道外拠点の実際の役割を確認する必要があります。
反対に、工事現場の連絡だけを行う詰所や、建設工事の請負契約に関わらない事務所は、直ちに建設業法上の営業所とは限りません。ただし、営業所に該当するかどうかは、権限の分担や日常業務の実態を踏まえて判断します。
社内で整理したい確認事項
まず、新拠点で誰が見積書を作り、価格を決め、顧客と契約条件を交渉するのかを整理します。次に、入札参加、契約締結、工事管理、単なる連絡業務のうち、何を担当するかを書き出します。本店との決裁権限の分担、従業員の配置、事務所の使用状況も確認すると、申請の要否を検討しやすくなります。
大臣許可への許可換えで準備すること
変更届だけで済ませない
北海道知事許可の会社が道外に建設業の営業所を設け、大臣許可の対象になる場合は、単なる営業所追加の変更届ではなく、許可換え新規申請を検討します。新たな許可行政庁から許可を受けると、従前の許可は法律の規定により効力を失います。申請中の扱いや新拠点での営業開始時期は、個別の計画を示して所管行政庁に確認してください。
大臣許可では、主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局等が申請先になります。北海道内に主たる営業所がある場合は、北海道開発局の最新の申請案内を確認します。手引きや様式は更新されるため、過去に知事許可を取得した際の書類をそのまま使わないことが大切です。
営業所ごとの技術者と常勤性
建設業の営業所には、許可業種に応じた要件を満たす営業所技術者等の配置が必要です。新設する道外営業所についても、担当者の資格や実務経験、常勤性、他の職務との兼務状況を確認します。北海道の本店にいる技術者の名前を道外営業所にも記載すれば足りる、というものではありません。
また、営業所技術者等の要件だけでなく、経営業務の管理体制、社会保険の適切な加入、財産的基礎など、許可要件を満たす状態を維持できるかも点検します。新拠点の人員配置が決まっていない段階では、申請計画と採用計画を並行して考える必要があります。
申請前に確認したい資料と進め方
拠点開設前に整理する資料
実務上は、現在の建設業許可通知書、許可業種一覧、直近の決算変更届の控え、会社の登記事項証明書、役員・従業員の配置予定表、新営業所の賃貸借契約書や図面、写真、担当者の資格証明資料などを手元に用意すると相談が進めやすくなります。必要書類の正式な範囲は、申請先の最新の手引きで確認します。
道外拠点を開設する理由と時期、見積りや契約を始めたい日、予定する工事の業種、担当する社員も一覧にします。許可換えの検討では、所在地だけでなく、営業所の実態と許可要件の両方が重要だからです。
計画から申請までの順序
最初に、新拠点で行う業務を整理して建設業法上の営業所に当たるか判断します。次に、必要となる許可区分と申請先を確認し、新拠点の営業所技術者等を含む人員配置を点検します。そのうえで、必要書類を収集し、開設日や契約開始予定日と申請日程を調整します。申請から許可までの期間は案件や行政庁によって異なるため、余裕を持った計画が必要です。
少し細部まで述べると、知事許可の場合は北海道ですと各振興局が提出先になります。大臣許可ですと開発局などの国の出先機関に提出します。提出から許可までの処理期間の目安は知事許可だと約1か月ですが、大臣許可だと約3か月の期間を要します。そのため、前述のとおり余裕を持った計画が必要となるわけです。ちなみに当然のことながら、決算や経審なども提出先が変わりますので注意が必要です。
例えば、北海道内に本店がある建設会社が青森県に支店を設ける予定でも、当初は現場連絡だけを担当し、後に見積り・契約業務を始める計画なら、業務内容が変わる時点も重要です。これは説明のための想定例であり、実際の許可判断は個々の業務実態によります。
判断に迷ったら開設計画の段階で相談を
道外で工事をするだけなのか、建設業の営業所を新設するのかによって、必要な手続きは変わります。営業所の業務内容が曖昧なまま拠点を設けると、申請準備や契約開始の予定を見直すことにもなりかねません。特に新拠点の技術者配置、許可換えの要否、申請時期を一度に検討したい場合は、開設前の相談が有用です。
建設業を応援する行政書士として、他都道府県などに事業展開するなどの事業の発展は、業界としても大変喜ばしいことですので、そのような事業主様に関しましても全力でサポートいたします。
行政書士加藤隆行事務所では、公式サイトで建設業許可申請(新規・更新)や経営事項審査を取扱業務として案内しています。道外への拠点展開を検討している場合は、現在の許可内容、新拠点の業務、開設予定日を整理したうえで、許可換えへの対応可否も含めて事前にお問い合わせください。
本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、行政書士加藤隆行事務所までお問い合わせください。
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一般建設業から特定建設業に変えるには?許可要件と申請の進め方
一般建設業許可を取得して事業を続けてきたものの、元請工事が増え、下請会社に発注する金額も大きくなってきた。このようなとき、「特定建設業許可に切り替えなければならないのだろうか」と迷う経営者の方がいらっしゃいます。 特定建設業許可が必要かどうかは、単純に工事の請負金額や会社の売上高で決まるわけではありません。元請として受注した工事で、下請契約をどのように締結するかが重要です。ここでは、必要となる場面、一般建設業との要件の違い、申請までの確認手順を説明します。 まず確認したい、特定建設業許可が必要になる場面 元請として締結する下請契約の金額が判断の出発点 特定建設業許可は、発注者から直接工事を請け負う元請業者が、その工事について一定額以上の下請契約を締結する場合に必要となります。2026年11月時点の基準は、下請契約の請負代金の合計が5,000万円以上、建築一式工事では8,000万円以上です。金額は消費税等を含めて判断します。 ここでいう下請契約の合計額とは、同じ元請工事について複数の下請業者に発注する場合、その契約金額を合算したものです。1社当たりの発注額だけを見て判断すると、必要な許可を見落とすおそれがあります。 自社が下請として受注する場合とは区別する 例えば、自社が一次下請として大きな工事を受注し、さらに別の業者に工事の一部を発注する場合でも、特定建設業許可の要否は元請として発注者から直接請け負う場合とは異なります。また、元請として受注する工事の金額が大きくても、自社施工が中心で下請発注額が基準に達しないなら、そのことだけで特定建設業許可が必要になるわけではありません。 なお、特定建設業許可を受ける業種は、実際に元請として請け負い、下請に発注する工事の業種と合わせて検討します。すべての業種を一律に特定建設業へ変更する必要があるとは限りません。 一般建設業から特定建設業に変える際の主な許可要件 財産的基礎は一般建設業より厳しい 特定建設業許可では、原則として欠損の額が資本金の20%を超えないこと、流動比率が75%以上であること、資本金が2,000万円以上であること、自己資本が4,000万円以上であることなどの財産的基礎が求められます。これらは原則としてすべて確認する必要があります。これは一般建設業に比べて相当の経営基盤の安定が求められているためです。 決算書上の数字を見ずに「預金があるから大丈夫」と判断するのは適切ではありません。資本金と自己資本は異なる概念ですし、流動比率は流動資産と流動負債の関係から算定します。直近の財務諸表を使い、どの条件が満たされているかを事前に整理しましょう。 営業所技術者等の資格・経験を確認する 特定建設業許可では、営業所ごとに配置する営業所技術者等について、一般建設業とは異なる要件が課されます。対象業種によっては一級の国家資格等が必要です。一方、一定の指導監督的実務経験などで要件を満たせる場合もあります。ただし、指定建設業では資格要件が限定されるため、業種ごとの確認が欠かせません。 現在の一般建設業許可で技術者として届け出ている方が、そのまま特定建設業の要件を満たすとは限りません。資格者証、合格証明書、過去の工事経歴などを確認し、申請時に必要な証明資料を整理します。 申請前に確認しておきたい3つの事項 1.対象となる工事と業種を整理する まず、今後受注する予定の元請工事について、工事の種類、発注者との契約額、下請に発注する予定の内容と金額を一覧にします。予定している工事が建築一式工事か専門工事かによって、適用される金額基準が異なるためです。 契約前の見積段階であれば、複数の下請見積書を合わせて確認すると判断しやすくなります。受注後に下請発注額が増える可能性も考え、必要な許可を取得できる時期を踏まえて受注計画を立てることが重要です。 2.決算書と技術者の資料を点検する 直近の貸借対照表、資本金の額が分かる資料、技術者の資格証明書、必要に応じて実務経験を裏付ける工事関係書類を準備します。財産要件を満たしていない場合、どの時点の財務状況で審査されるか、改善後にどの資料が必要になるかを申請先に確認する必要があります。 3.許可区分と申請方法を確認する 一般建設業から特定建設業への移行では、既存許可の状況や追加する業種によって、般・特新規などの申請区分が問題になります。単なる変更届で済むと決めつけず、許可行政庁の手引きで申請区分と添付書類を確認してください。 北海道内のみに建設業法上の営業所がある場合は北海道知事許可、複数の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣許可となります。どちらに該当するかも申請前の確認事項です。 想定例で考える、特定建設業許可が必要かどうか 例えば、北海道内で一般建設業許可を持つ会社が、発注者から直接設備工事を請け負い、その工事について複数の下請業者に合計5,200万円(税込)の工事を発注する予定だとします。この場合、建築一式工事以外の工事であれば、原則として特定建設業許可の必要性を検討しなければなりません。これは説明のための架空の例です。 一方、同じ会社が元請から下請として工事を受注した場合や、元請工事でも下請発注額の合計が基準未満である場合は、同じ結論にはなりません。契約上の立場と実際の下請発注額を分けて整理することが重要です。 「大きな工事だから特定建設業」「一般建設業の許可があるからどのような下請発注でも可能」といった理解はいずれも正確ではありません。発注形態と許可業種を確認したうえで判断しましょう。 特定建設業許可の申請を相談するときの準備 自社で検討する際は、元請工事の契約書・見積書、下請発注予定の一覧、現在の建設業許可通知書、直近の決算書、営業所技術者等の資格・経験を示す資料をそろえると、検討が進めやすくなります。すべての資料が最初からそろっていなくても、まず不足しているものを把握することが大切です。 財産要件を満たしているか判断しにくい場合、対象業種に適した技術者がいるか分からない場合、受注予定の工事までに許可取得が間に合うか確認したい場合は、申請準備の段階で行政書士に相談する意義があります。許可が下りる前に特定建設業許可を要する下請契約を締結しないよう、受注・発注の時期にも注意してください。 この頃は、経審で確認する限りでも、比較的大きな市町村の公共工事については、億を超える請負金額の工事もあり、原材料や燃料の高騰なども相まって特定建設業への需要が高まってきていると言えるでしょう。感覚的には特に土木一式関係や舗装・管工事あたりは特にそのニーズの高まりを感じています。 その他の工事についても受注の状況によっては、特定建設業へのシフトが必要になってくる可能性は十分にあります。個々の事業所の特色に合わせてご検討をしてみて下さい。 行政書士加藤隆行事務所では、地元の建設業者を中心に建設業許可の新規・更新申請などを取り扱っています。一般建設業から特定建設業への移行を検討している方も、現在の許可内容と今後の受注計画を整理したうえで、具体的な申請方法についてご相談ください。
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建設業許可の決算変更届を出し忘れたら?期限超過後の対応と必要書類
建設業許可を取得した後、毎年の決算が終わっても、税務申告だけで手続きが済むわけではありません。「決算変更届を出していなかった」「数年前の分まで未提出だと分かった」という相談につながることがあります。 建設業許可を受けた事業者には、毎事業年度終了後4か月以内に、事業年度終了に伴う届出を行う義務があります。期限を過ぎた場合も、放置せず、未提出年度と資料の状況を確認することが重要です。この記事では、北海道知事許可を受けた建設会社や個人事業主を念頭に、期限超過に気付いたときの確認事項と準備の順序を説明します。 決算変更届は許可を維持するための毎年の手続き 税務署への申告とは別の届出 決算変更届は、建設業法第11条第2項に基づき、毎事業年度の終了後4か月以内に、許可行政庁へ提出する書類です。一般に「決算報告」「事業年度終了届」とも呼ばれます。法人税や所得税の申告書を税務署に提出しただけでは、この届出をしたことにはなりません。 たとえば3月31日決算の法人なら、原則として7月31日までが提出期限です。個人事業主は通常12月31日が事業年度末となるため、翌年4月30日までが目安です。休日の扱いや提出方法などは、提出先の最新の案内を確認してください。 工事実績がない年度も対象 「今年は建設工事を受注していないから届出は不要」と考えるのは適切ではありません。許可を受けている以上、工事実績がない年度についても、所定の書類を作成して提出する必要があります。工事経歴書には実績がないことを適切に示し、財務諸表などの必要書類をそろえます。 これは実績などを示すための提出書類ではありません。建設業許可を取得している業者に関しては毎年提出する義務のあるものです。経営事項審査受審の有無などにかかわらず提出が必要です。これに対して、経営状況分析は経営事項審査を受ける業者が対象になりますので混同しないように注意が必要です。 出し忘れに気付いたら、最初に確認すること どの年度が未提出なのかを確定する まず、許可通知書、過去の届出控え、決算書を並べて、事業年度ごとの提出状況を一覧にします。提出したつもりでも、書類の控えが見つからないだけという場合もあります。行政庁に提出状況の確認方法を問い合わせ、未提出年度を確定させましょう。 確認表には「事業年度の開始日・終了日」「決算変更届の提出日」「工事経歴書の有無」「財務諸表の有無」「不足資料」を記入すると、準備の優先順位が見えます。許可更新の時期が近い場合は、その予定も記録します。 未提出をそのままにしない 期限を過ぎた届出について、単に次年度分だけを提出して過年度分を省略することは避けてください。未提出が判明したら、許可行政庁に事情を説明し、過年度分をどのように提出するか確認することが適切です。 未提出があると、許可更新などの手続きに支障が生じる可能性があります。また、建設業法上の届出義務に違反した状態であるため、行政上・法令上の問題を軽視できません。ただし、期限を1日過ぎただけで直ちに許可が失効する、という単純な仕組みではありません。具体的な取扱いは個別に確認する必要があります。 過年度分の書類は何から集めるか 工事経歴書と施工金額を整理する 決算変更届には、工事経歴書や直前3年の各事業年度における工事施工金額など、建設工事の実績を示す資料が含まれます。工事台帳、請負契約書、注文書・請書、請求書などをもとに、年度別・許可業種別の実績を整理します。 北海道では、各業種の工事経歴について請負金額上位10件以上(対象業種の工事が10件以下の場合はすべて記入)の工事経歴を記載しなくてはなりません。それ以下の工事に関してはその他の照光寺としてまとめても差し支えありません。従いまして、工事経歴を整理する資料の紛失などがあると正しい記載に支障が出る恐れがあります。 売上高のすべてが建設工事の完成工事高になるとは限りません。資材販売などの兼業売上がある場合は区分が必要です。また、工事経歴書の記載対象や並べ方は、経営事項審査を受けるかどうかなどによっても確認事項が変わります。記載基準は提出先の手引きに従ってください。 建設業法に沿った財務諸表を作成する 税務申告用の決算書をそのまま添付すれば足りるとは限りません。建設業の届出では、所定の様式による貸借対照表、損益計算書などが必要です。法人・個人で様式が異なり、法人では株主資本等変動計算書や注記表なども確認します。 また、税務申告用の決算書と勘定科目が一部異なるものがありますので、税務上の勘定科目が建設業決算上のどの科目にあたるのかを確認しながら進める必要があります。 さらに株式会社の場合は、事業報告書も作成する必要があります。これは、利益があがっていればその分析、損失が出ている場合はその原因を文章で記載するものです。 複数年度分が未提出の場合は、年度ごとの決算書を確保し、当時の数値に基づいて作成します。現在の数字で過去の年度を埋めたり、根拠のない工事実績を記入したりしてはいけません。決算書と工事台帳の数字が一致しないときは、差異の理由を調べてから記載します。 変更事項の届出漏れも別に確認する 役員、商号、営業所、経営業務の管理体制や営業所技術者等について変更があった場合、決算変更届とは別に変更届が必要となることがあります。決算変更届をまとめて提出すれば、ほかの変更手続きも自動的に済むわけではありません。 未提出期間が長い場合は、登記事項証明書、過去の組織図、人員記録などを確認し、別の届出漏れがないか点検しておくとよいでしょう。 許可更新や経営事項審査が近い場合の注意点 更新期限から逆算して準備する 建設業許可の有効期間は原則5年間で、引き続き営業するには更新申請が必要です。更新申請には所定の期限があり、決算変更届の未提出が残っていると、書類の確認や準備が間に合わないおそれがあります。 更新時期が迫っている場合は、過年度分の作成を進めるのと同時に、許可行政庁へ提出順序や受付上の取扱いを確認してください。未提出の届出を急いで整える必要があるからといって、更新申請の期限を見落とさないようにします。 公共工事を希望する会社はさらに早めに 公共工事の入札参加を考えている会社では、経営事項審査に向けた決算変更届、経営状況分析などの準備が関係します。決算変更届の内容と経審の申請資料に食い違いがあると、確認や修正に時間を要する可能性があります。 年度末にまとめて着手するより、決算確定後に工事実績を整理する習慣をつけるほうが、更新や経審の準備も円滑になります。 相談前にそろえたい資料と今後の管理方法 過年度分の未提出が分かったら、許可通知書、直近数年分の決算書、工事台帳、契約書・注文書、過去の届出控え、役員や技術者の変更履歴を可能な範囲で集めてください。資料がすべてそろっていなくても、どの年度の何が不足しているか整理することから始められます。 今後の出し忘れを防ぐには、決算日から4か月後の届出期限を社内の年間予定に登録し、税理士から決算書を受け取った段階で工事経歴書の作成を始める方法が有効です。経営事項審査を受ける会社では、分析申請や審査日程も含めて管理するとよいでしょう。 行政書士加藤隆行事務所では、建設業許可の新規・更新申請のほか、決算変更届、経営状況分析、経営事項審査を取り扱っています。北海道の建設事業者で、未提出年度の整理や許可更新との関係に迷う場合は、手元にある資料と今後の予定を確認したうえでご相談ください。 建設業決算から経営状況分析、経営事項審査まで一手に依頼くださる業者様は基本的には税務の決算書と工事経歴を提出いただければ、決算報告と経営状況分析までは、スピーディーに行うことができます。また、提出忘れの恐れもなく安心して本業に専念できる環境を作るためのサポートをさせていただきます。
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公共工事を受注したい建設会社は経審が必要?申請の流れと準備書類
民間工事を中心に請け負ってきた建設会社が、自治体などの公共工事にも参加したいと考えたとき、「建設業許可があれば入札できるのか」「経営事項審査(経審)はいつ受ければよいのか」と迷うことがあります。 建設業許可、経営事項審査、入札参加資格審査は別々の手続きです。順番を誤ると、希望する入札の申請時期に間に合わないこともあります。 ここでは、公共工事への参加を検討する会社が確認したい条件と、決算後の実務的な準備を説明します。 公共工事に参加するには何が必要か 建設業許可だけでは入札参加の条件を満たさない場合がある 国や地方公共団体などが発注する公共工事を、発注者から直接請け負おうとする建設業者は、原則として経営事項審査を受ける必要があります。 ただし、経審を受けただけで個々の入札に参加できるわけではありません。発注機関ごとに入札参加資格審査があり、資格登録や工事種別、地域要件などを満たす必要があります。 まず「どの発注者の、どの工事に参加したいか」を具体化することが出発点です。 経審は会社の状況を客観的に評価する仕組み 経審では、経営規模、経営状況、技術力、社会性などを一定の基準で評価します。 結果として通知される総合評定値(P点)は、発注機関が格付けなどに利用する資料の一つです。いわゆる建設業許可を取得している業者の通信簿のようなものです。 しかし、点数が高ければ必ず受注できるわけではなく、発注者ごとの評価や入札条件、価格なども関係します。 経審の目的を「許可の取得」と混同しないことが重要です。 申請前に確認したい3つの前提 どの許可業種で公共工事を請け負うか 参加したい工事の内容と、自社が取得している建設業許可の業種が対応しているかを確認します。 例えば、実際に請け負う工事が許可業種と一致しなければ、経審の準備だけ進めても目的を達成できない場合があります。 工事の名称だけで判断せず、具体的な施工内容を確認してください。 決算変更届の提出状況 経審の準備は決算書だけでは完結しません。 許可行政庁への決算変更届(事業年度終了届)の提出状況を確認し、工事経歴書などの記載内容と整合させる必要があります。 税務申告書と建設業法上の財務諸表は、そのまま同じ形式で使えるものはほとんどありません。 過年度の届出に漏れがある場合は、先に対応方法を確認します。 審査基準日と申請時期 経審は原則として直前の事業年度終了の日を審査基準日とします。 公共工事の請負契約を締結する際には、所定の有効期間内の経審結果が必要です。 経審結果の有効期間は審査基準日から1年7か月であり、通知書を受け取った日から起算するわけではありません。 毎年継続して公共工事を請け負う会社は、決算後の手続きに空白期間が生じないよう逆算する必要があります。 経審から入札参加までの基本的な流れ 1.対象の発注機関と受付時期を調べる まず北海道、各市町村、国の機関など、参加を希望する発注者の入札参加資格申請の案内を確認します。 受付期間が定期受付なのか随時受付なのか、電子申請の有無、求められる経審結果の基準日などは発注者によって異なります。 「経審が終わったら申し込む」と考えるのではなく、資格申請の締切から必要な作業を逆算します。 多くの都道府県や市町村では公共工事の入札資格審査は2年に1度審査を行い、2年間有効という仕組みになっており、公共工事に入札したいとお考えの業者様は当該市町村等のホームページをご確認いただくか、専門家にご相談下さい。 2.経営状況分析を申し込む 建設業法上の財務諸表などを整え、登録経営状況分析機関に経営状況分析を申請します。 分析結果通知書は、その後の経審申請に使用します。 決算書の数字と工事の完成工事高の区分が適切か、税務申告との違いが説明できるかも確認しましょう。 特に、経審では建設業決算報告の完成工事高と消費税の確定申告書を見比べて決算報告の完成工事高の方が高額になっている場合は、消費税の課税標準が誤っている可能性があり、行政庁から注意される対象となりますので事前の確認をしっかり行いましょう。 よくある誤りとしては、建設業決算の損益計算書の完成工事高に税込の価格を入力してしまっている場合などがあげられます。特に経審を初めて受ける業者が自社で手続を行う場合などは注意が必要です。 3.経営規模等評価・総合評定値を申請する 許可行政庁に経営規模等評価の申請を行い、通常は総合評定値の請求もあわせて行います。 技術職員の資格・常勤性、工事種類別完成工事高、社会保険加入状況など、審査項目に応じた資料を準備します。 ちなみに今年7月から法改正により、健康保険、厚生年金、雇用保険の加入状況の確認書類は不要になりました。これは、建設業許可を出す際の前提条件としてこれらの社会保険・労働保険に加入していることを既に確認しているためです。 申請先や提示資料の取扱いは許可区分や行政庁の案内に従ってください。 4.入札参加資格審査を申請する 経審の結果通知書を受領したら、希望する発注機関の資格申請に進みます。 申請には経審結果のほか、納税証明書、許可関係書類、委任状などが求められる場合があります。 必要書類と提出方法は発注機関ごとに確認し、資格登録後も個別案件の入札公告を読むことが欠かせません。 なお、国の機関や北海道、市町村の機関に関しては、電子申請が原則となっており、それぞれのサイトから申請する必要があります。 また、入札資格審査は、公共機関のみに限らず、土地改良区や農業協同組合(JA)なども対象となっております。 私の地域ではこのような機関に関しては、紙での提出を求められていますので、参考にしていただければと思います。 書類準備でつまずきやすい点 完成工事高と工事経歴書の整合 工事別の売上計上、許可業種ごとの完成工事高、決算変更届の工事経歴書が食い違うと、確認に時間を要します。 工事台帳、請負契約書、注文書・請書、請求書などを照合し、工事内容と金額を説明できる状態にしておきましょう。 会計上の売上と建設業法上の完成工事高の扱いが異なる場合は、その理由を整理します。 北海道では、経審受審する各業種の工事経歴書に記載している工事のうち請負金額の上位3件の契約書や注文書の写しの提出が求められます。これは、元請、下請やJV(共同企業体)などを問わず請負金額のみで判断します。 技術職員の資格と在籍状況 技術職員名簿に記載する資格の種類や対象業種、常勤性などは点数に関係します。 資格証の写しだけでなく、雇用・在籍関係を示す資料なども求められます。 決算期末前後に入退社があった場合は、審査基準日時点の取扱いを確認してください。その年に退職している方でも審査基準日現在で在籍していた場合は、技術者に加えることも可能です。 直前になって点数を上げようとしない 経審の評価は、審査基準日時点の状況や対象期間の実績を基礎にします。 決算後に講習を受けたり資格を取得したりしても、今回の審査に反映できないことがあります。 また、注意が必要なところとして監理技術者証と監理技術者講習の有効期限はそれぞれ別なものとなっています。監理技術者証を更新したからといって、講習の有効期限が切れている場合は、その年の点数がその分は上がらないことになります。 改善策は次回以降の審査を見据えて計画し、実態と異なる記載や根拠のない数値調整は避けるべきです。 相談前に用意したい資料と進め方 公共工事への参加を検討し始めた段階なら、まず社内で参加したい発注機関・工事種別・時期を整理し、直近の許可通知書、決算変更届の控え、決算書、工事台帳、技術者の資格資料を集めると見通しを立てやすくなります。 すでに経審を受けている会社は、前回の結果通知書も確認してください。 一方、決算変更届が未提出である、工事の業種区分が分からない、受付期限が近い、初めて経営状況分析を受けるといった場合には、行政書士への相談が役立ちます。 必要な作業と提出先を整理し、申請書類の整合性を確認することが重要です。 行政書士加藤隆行事務所では、建設業許可の新規・更新に加え、決算報告、経営状況分析、経営事項審査、入札資格審査申請を取扱っています。 北海道・上富良野町や富良野地方などで公共工事への参加を検討されている方は、希望する発注機関と決算時期、現在の許可・届出状況を整理したうえでご相談ください。 当事務所は北海道行政書士会から任命された、「建設業相談員」として実際に振興局へ出向して各業者様の経審の審査業務を担当しており、審査する立場として依頼業者様への適切な助言や書類作成が可能となっております。また、建設業決算、経営状況分析から経営事項審査、そして入札資格審査まで一手に引き受けることができますので、お気軽にご相談下さい。
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