士業コラム
重機を積み替えたら特殊車両通行許可はどうなる?運搬前の確認事項

重機を積み替えたら特殊車両通行許可はどうなる?運搬前の確認事項

「先週は油圧ショベルを運んだトレーラーで、今度は別の重機を運びたい」、「運搬する機械が変わっても、以前取得した特殊車両通行許可を使えるのだろうか」。建設現場や重機運搬の仕事では、このような疑問が生じます。

結論から言えば、積荷が変わったという事実だけで、必ず新しい通行許可が必要になるというわけではありません。ただし、積み替え後の車両の重量や寸法、通行経路などが現在の許可の範囲に収まるかどうかを確認する必要があります。今回は、判断のポイントを解説します。

まず確認したいのは「積荷の名称」より運行時の車両状態

特殊車両通行許可は、道路法に基づく車両制限を超える車両が、指定された道路を一定の条件で通行するための制度です。一般的制限値である車両の幅2.5m、高さ3.8m、長さ12m、車両総重量20tなどを超えているかどうかで判断します。

積み替えで重量・高さ・幅が変わる

例えば、同じ低床トレーラーでも、積載する油圧ショベルの機種が変われば、積載後の車両総重量や高さ、左右への張り出し(=車両の幅)が変わります。車検証に記載された車両そのものの情報だけで積荷を載せた状態を十分に確認できるとは限りません。

運搬担当者は、積載物の重量だけでなく、車両と積荷を合わせた状態を把握してください。車両の構造、積載方法、積荷の位置によって軸重や隣接軸重なども変わる可能性があります。総重量が同じでも、道路への負担が同じとは限らない、と言えます。

許可と積載方法の適法性は別に確認する

道路法上の特殊車両通行許可を取得していても、それだけですべての積載方法が認められるわけではありません。積載物の大きさや積載方法が道路交通法上の制限を超える場合には、別途、制限外積載許可などの確認が必要になることがあります。重機の固定方法や安全な運搬方法も、運行計画とは別に検証しましょう。

現在の許可証と新しい運搬条件を照合する

許可を受けた車両と組合せを確認する

最初に、現在の許可証、車両諸元、経路図、通行条件が分かる書類を用意します。トラクタとトレーラーの組合せが変わる場合は、積荷の変更とは別に、許可対象の車両に含まれるかを確認しなければなりません。

複数の車両を保有している会社では、配車表に書かれた車両番号だけで判断せず、許可書類に記載された登録番号や車両の組合せを照合します。

重量・寸法・経路・通行条件を比較する

次に、積み替え後の運行条件を整理します。確認するのは、車両と積荷を合わせた高さ・幅・長さ・重量、必要な軸重等の情報、出発地と目的地、実際に通る道路です。

同じ工事現場へ向かう場合でも、搬入口が変われば最後の交差点や進入道路が変わることがあります。また、許可証に誘導車や通行時間帯などの条件が付されている場合は、新しい運搬計画でもそれらの条件が遵守できるか確認してください。

比較の結果、許可内容と実際の運行に差がある場合は、変更申請や新規申請の要否を検討します。許可の有効期間が残っているという理由だけで、そのまま出発しないことが重要です。

想定例で考える積み替え時の判断

比較的小さい重機へ変更する場合

例えば、ある現場に運んだ油圧ショベルを、同じトレーラーで別の小型機械に積み替えるとします。新しい機械の重量が軽くても、積載位置や機械の高さが異なる場合があります。

「軽くなるから問題ない」と決めつけず、許可対象の車両、許可された諸元、経路、通行条件を照合します。確認の結果、現在の許可の範囲で通行できる場合もありますが、積載状態を見ずに結論を出すことは避けるべきです。

より大型の重機へ変更する場合

別の例として、従来より重い重機を運ぶ依頼を受けた場合を考えます。積載後の総重量だけでなく、軸重や車両全体の高さなどが許可された条件を超える可能性があります。さらに、橋梁や交差点などの道路条件によっては、従来の経路が使えないこともあります。

この場合、まず機械の仕様書や実測値、車両諸元、運搬経路をそろえ、必要な申請と運行計画を検討します。許可が必要な運行については、必要な許可を得る前に出発することは避けてください。

運搬前に社内で進めたい確認手順

配車担当者と運転者で情報をそろえる

積み替えが決まったら、荷主から機械の型式、重量、外形寸法、積載時の姿勢などを確認します。運送会社側では使用するトラクタ・トレーラー、積載方法、出発地・目的地、希望日を把握します。機械のカタログ値と実際のアタッチメント装着状態が違う場合は、その差についても併せて把握しておきましょう。

運行の担当者が複数名いる場合は、配車担当者だけで判断を完結させず、申請担当者とそれぞれの運転者が同じ資料を確認できるようにします。許可証の有無だけを伝えるのではなく、対象車両、経路、通行条件まで共有することが大切です。

不明点があるときは出発前に確認する

許可内容との違いが見つかった場合は、道路管理者の案内や申請制度の取扱いを確認し、必要に応じて行政書士へ相談します。変更申請として扱える範囲と、改めて新規申請が必要になる範囲は、変更する内容によって異なります。

納期が迫っているときほど、積み替え後の状態が確認できないまま出発日を確定しないようにしましょう。申請や審査に時間がかかる場合に備え、代替車両や運搬日程を調整することも選択肢の一つです。

相談前に準備する資料と確認事項

相談時には、現在の許可証一式、車検証などの車両情報、トラクタとトレーラーの組合せ、新旧の積載物の仕様書、積載状態が分かる資料、予定経路、運行希望日をまとめておくと、確認が進めやすくなります。資料がすべてそろっていなくても、何が不足しているかを先に整理できます。

特に、重量や寸法が許可範囲内か判断できない場合、積載物の張り出しがある場合、トレーラーの組合せや搬入経路も変わる場合には、運行前に専門家へ確認することをお勧めします。

福岡県八女郡広川町の奥村行政書士事務所では、特殊車両通行許可申請を取り扱っています。重機の積み替えに伴って申請が必要か迷うときは、現在の許可内容と新しい運搬計画を整理したうえでご相談ください。

本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、奥村行政書士事務所までお問い合わせください。

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