士業コラム
特殊車両の通行許可と通行確認はどう違う?制度の選び方と運行前の注意点

特殊車両の通行許可と通行確認はどう違う?制度の選び方と運行前の注意点

大型車両やトレーラーを使う運送では、道路を通るための手続きとして「特殊車両通行許可」と「特殊車両通行確認」という二つの制度があります。名前が似ているため、どちらを使うべきか迷うこともあるでしょう。

制度を選ぶ際は、手続きの速さだけでなく、車両の登録ができるか、目的地までの道路が対象になっているかを確認することが大切です。それぞれの仕組みと、運行計画に合わせた判断のポイントを整理します。

通行許可と通行確認は、経路の調べ方が異なります

道路には、構造を守り交通の安全を確保するため、車両の幅や高さ、重量などについて一般的制限値が設けられています。車両の構造や貨物が特殊で、その制限を超えて通行する場合には、対象となる制度に沿った手続きが必要です。道路や車両による特例もあるため、大型車というだけでは一律に判断することはできません。

通行許可制度では、通行させる車両と経路を指定して申請し、道路管理者が審査します。通行できる場合には、必要な条件を付した許可が交付されます。申請した経路を前提に運行を計画する仕組みです。申請後、通行の可否について道路管理者における審査が行われる流れが一般的であり、実際に通行可能となるまでには時間がかかります。

一方、通行確認制度は、あらかじめ登録した車両について、出発地と目的地などを入力し、道路情報が電子化された道路の中から通行可能な経路をオンラインで確認する仕組みです。オンライン上で通行経路の確認が行われるため、通行可能となるまでの期間は、当然ながら、通行許可制度よりも各段に早いです。即時に通行が可能である旨の回答書を取得することができるからです。条件を満たせば、複数の経路が表示される場合もあります。

通行確認の経路検索は即時に結果を確認できますが、利用には事前の車両登録などが必要です。「今すぐ登録を始めれば、必ずその日に目的地まで走れる」というわけではありません。

通行確認制度を利用する前に確かめたいこと

通行確認制度では、対象となる車両に基準に適合するETC2.0車載器を搭載し、かつ、Gマーク取得営業所に所属する車両で、車両情報などを事前に登録する必要があります。登録できる車両には重量や寸法などの基準があるため、車検証だけで判断せず、制度の最新の案内で確認しましょう。登録や経路確認には所定の手数料もかかります。そして、通行確認精度は通行許可制度と違い、通行が認められる期間が一律1年間です。

また、確認できるのは道路情報が電子化された道路のみです。高速道路や主要な道路が利用できても、工場や現場の出入口に至る最後の道路まで、希望する経路全体が対象とは限りません。国土交通省の案内から無料のお試し検索を利用し、予定する出発地と目的地を確認することができます。

ただし、お試し検索の結果は、正式な通行確認の回答そのものではありません。実際に使う車両と積載状態に基づいて必要な手続きを行い、交付された回答の経路や条件を確認してください。検索で希望する経路が出ない場合も、それだけで道路が絶対に通れないとは断定せず、通行許可を含めて検討します。

通行許可制度を検討したい場面

通行確認制度の対象外となる車両や、電子化されていない道路を含む経路では、通行許可制度の利用を検討します。申請できても、必ず許可されるとは限りません。道路の状況や車両の諸元に応じて審査され、追加資料を求められたり、希望する経路が認められなかったりする場合もあります。

例えば、建設機械を運ぶトレーラーが幹線道路から現場へ入るケースであれば、主な道路が通行確認の対象でも、現場への接続道路が対象外であれば、検索結果のみでは運行全体を判断することができません。出発地から搬入口までの具体的な道順を整理し、必要な手続きを事前に確認します。

許可申請では、車両の寸法や重量、貨物を積んだ状態、連結する車両の組合せ、通行経路などを整理します。審査にかかる期間は案件によって異なりますので、搬入日が決まっている場合は、配車と申請の準備を早めに進めることが重要です。

制度を選ぶときは運行全体を見て判断する

まず、今回の車両と貨物を積んだ状態を確認します。トラクタとトレーラーを使う場合は、連結した状態の寸法や重量も把握しましょう。次に、出発地、到着地、搬入口、通りたい道路を具体的に整理します。同じ行き先でも、入口や通行する道路が変われば確認結果は変わり得ます。

そのうえで、通行確認制度の登録要件と経路の対象範囲を調べ、必要に応じて通行許可を検討します。繰り返し運行する車両であっても、車両や積載状態、道路の条件によって使える手続きは変わります。すでに許可証や回答書がある場合も、今回の運行がその内容に含まれるか照合してください。

費用を比較するときは、制度ごとの手数料だけでなく、車載器の準備、登録、経路確認、申請に必要な作業も含めて考えるとよいでしょう。どちらが有利かは車両数や運行の頻度、経路によって異なります。

出発前の確認と専門家への相談

手続きが済んだ後も、実際に運行する車両、積載状態、経路が許可や回答の内容と一致しているかを確認します。徐行や誘導車の配置など、付された通行条件も確認し、配車担当者と運転者で共有してください。工事や災害による通行止めなど、当日の道路状況も別途確認する必要があります。

制度を利用できるか分からない場合や、現場までの経路が複雑な場合、車両の組合せが多い場合は、計画段階で行政書士に相談する方法があります。車検証、車両や貨物の寸法・重量が分かる資料、出発地と搬入口の情報、過去の許可証などを用意すると、確認が進めやすくなります。

当事務所では、特殊車両通行許可申請を取り扱っています。自社で必要な確認や申請を進められる場合もありますが、許可の要否や申請内容の整理に迷うときは、運行予定を具体的に伝えてご相談ください。初回相談は無料で、完全予約制です。

通行許可と通行確認は、経路を審査する方法と対象範囲が異なります。車両、積載状態、出発地から目的地までの道路をそろえて確認し、必要な手続きを運行前に準備しましょう。

本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、奥村行政書士事務所までお問い合わせください。

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