特殊車両通行許可申請は何から始める?必要書類と経路確認のポイント

「新しい現場へ重機を運びたい」「トレーラーの通行許可を取るよう取引先から言われた」。初めて特殊車両通行許可を申請するとき、車検証を用意すれば手続きを進められると思っていませんか。
申請では、車両だけでなく、貨物を積んだ状態の寸法・重量と、実際に通る道路を確認します。運搬予定日が決まっている場合ほど、書類作成の前に輸送計画を整理することが大切です。この記事では、申請準備の進め方と、行政書士への相談に役立つ情報を解説します。
許可が必要かは、車両と積載状態、道路を合わせて判断する
特殊車両通行許可は、道路の構造を守り、交通の危険を防ぐための制度です。車両の構造や積載する貨物が特殊で、道路法上の制限を超える場合に、道路管理者の許可などを受けて通行します。
一般的制限値の代表例は、幅2.5メートル、長さ12メートル、高さ3.8メートル、総重量20トンです。このほか、車軸にかかる重さを示す軸重、隣接軸重、輪荷重、最小回転半径にも制限があります。総重量だけを見て判断しないようにしましょう。
ただし、指定された道路や車両の種類によって適用される制限が異なります。例えば、高さ指定道路では高さの一般的制限値が4.1メートルとなり、重さ指定道路では車両の長さや軸距などに応じて総重量が最大25トンとなる場合があります。連結車にも特例があるため、先ほどの数字を超えたらすべて同じ申請が必要とは限りません。
反対に、車両が車検を受けていることだけで、予定する道路を通行できるとは判断できません。車検証上の情報と、荷物を積んだときの状態、通行経路に適用される制限を照らし合わせる必要があります。
なお、道路交通法などに基づく別の手続きが関係する場合もあります。特殊車両通行許可を取れば、輸送に関するすべての確認が終わるわけではありません。
必要書類を集める前に、三つの情報を整理する
車両の情報は、連結する組合せまで確認する
まず、使用する車両の車検証を用意します。トラクターとトレーラーを連結して運ぶ場合は、両方の情報を確認しましょう。複数の車両を使う予定なら、実際に使用する組合せを整理します。
車両の寸法や重量、軸の配置などを示す資料も確認します。車検証だけでは申請に必要な情報がそろわない場合があるため、車両の諸元表や図面など、手元にある資料を把握しておくと準備を進めやすくなります。別の組合せの資料を、そのまま使わないことも大切です。
積載物は、名称だけでなく寸法と重量を把握する
「建設機械を運ぶ」という説明だけでは、積載時の高さや総重量が分かりません。貨物の種類、寸法、重量、積み方を確認し、車両を含めた全体の状態を整理します。
例えば、同じトレーラーでも、載せる重機が変われば高さや重量が変わります。荷物の配置によって各車軸にかかる重さも変わるため、総重量が分かれば十分とはいえません。数値が不明なときは推測で埋めず、メーカー資料などを確認しましょう。
また、許可制度は、車両の構造や貨物が特殊であることを前提とします。通常の貨物を多く積むために制限を超えても、申請すれば当然に認められるという制度ではありません。
出発地・目的地は、出入口を含めて特定する
車庫や積込み場所、搬入する現場の住所と、実際に使う出入口を確認します。広い工場や工事現場では、どの門から出入りするかによって通る道路が変わることがあります。
福岡国道事務所の案内でも、出発地と目的地は場所を特定できる住所に加え、可能であれば会社名・建物名などを記載するよう求めています。地番が分からない工事現場なら、分かる範囲の住所と工事名を整理し、位置を説明できる地図を用意しておくと役立ちます。
経路確認では、現場までの最後の道路を見落とさない
申請する経路は、出発地から目的地までの実際の通行ルートです。「高速道路と国道を使う」という説明だけでなく、そこへ出るまでの道路と、降りてから現場へ入るまでの道路も確認します。
特に注意したいのが、現場に近い県道や市町村道です。幹線道路の部分に問題がなくても、最後の区間に狭い交差点や橋があれば、計画全体を見直す必要が生じることがあります。カーナビが示す最短ルートを、そのまま特殊車両の申請経路にできるとは限りません。
オンライン申請で経路を作成する際、道路情報が収録されていない区間が含まれることもあります。その場合は通行箇所を示す地図など、申請先の案内に沿った資料の準備が必要です。入力できない区間を省いて、目的地に着くまでの経路を途切れさせないようにしましょう。
例えば、トレーラーで重機を現場へ運ぶ計画があり、以前と同じ国道を使うものの、搬入口だけが変わったとします。
この場合、「国道は同じだから前の許可で運べる」とは決められません。新しい搬入口へ向かう道路が許可経路に含まれるか、車両の組合せや積載状態も許可内容に合うかを確認します。搬入口の変更という小さな違いでも、申請の見直しにつながることがあります。
申請から許可取得まで、輸送計画と並行して進める
一般的な申請書類には、申請書、車両の諸元に関する説明書、通行経路表、経路図、車検証の写しなどがあります。複数車両の申請では車両内訳書、大きな寸法の車両では軌跡図などを求められる場合もあります。必要資料は車両や申請方法によって異なるため、一律の一覧だけで準備を終えないことが大切です。
申請先は、通行経路と道路管理者の関係で判断します。事業者の所在地だけで決まるものではありません。複数の道路管理者にまたがる経路では申請窓口のルールを確認し、オンライン申請を利用する場合も、その申請で扱える道路や提出方法を確かめます。
また、現在は、事前に登録された車両と道路情報が電子化された道路を対象とする「特殊車両通行確認制度」もあります。従来の通行許可申請とは別の仕組みであり、すべての車両・経路で利用できるわけではありません。予定する輸送にどちらの制度を使えるか、準備段階で確認しましょう。
許可申請では、書類の補正や道路管理者との協議が必要になる場合があります。申請した日からすぐに運べるとは限らず、許可の取得日も一律には約束できません。搬入希望日だけでなく、車両や積載物、経路を確定できる時期も含めて計画します。
許可が出た後も、許可証や条件書を確認し、必要書類の携帯と通行条件の遵守が必要です。指定された時間帯、徐行、誘導車などの条件を、配車担当者や運転者へ共有しましょう。継続して運ぶ場合は、有効期間と実際の運行内容が合っているかも管理します。
行政書士への相談は、資料が全部そろう前でもできる
使用する車両と貨物、経路が明確で、申請方法や必要資料を把握できる場合は、事業者自身で申請を進めることもできます。
一方、新しい現場への経路を追加したい、複数の車両や組合せを使いたい、積載時の数値が分からない、搬入日までの準備期間が限られている場合は、早めに行政書士へ相談することが役立ちます。申請書の作成に入る前に、未確定の情報と追加確認が必要な資料を整理しやすくなります。
相談時には、車検証、車両の図面や諸元資料、積載物の情報、出発地と目的地、希望する経路、搬入予定日をお伝えください。過去の許可がある場合は、許可証と関連書類も用意すると、今回の計画との違いを確認しやすくなります。分からない項目は「未確認」として伝えて構いません。
当事務所では、完全予約制で初回無料相談を受け付け、ご依頼に際しては事前に見積りをご提示しています。まずは輸送計画と手元の資料をご説明いただき、今回の申請について対応できる内容と費用をご確認ください。支援範囲を確認してから依頼を検討することで、事業者側で準備する情報も明確にできます。
特殊車両通行許可の準備は、書類の名称を調べるだけでなく、「どの車両で、何を積み、どこを通るか」を具体的にするところから始まります。八女市・筑後市・柳川市・久留米市・大牟田市・八女郡広川町などで輸送計画を検討されている方も、まずはこの三点と予定日を整理し、迷う部分を早めにご相談ください。
本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、奥村行政書士事務所までお問い合わせください。
その他の記事
-

特殊車両通行許可は複数台まとめて申請できる?包括申請の条件と注意点
運送会社で複数台のトラックやトレーラーを使用していると、「特殊車両通行許可を車両ごとに申請する必要があるのか」「まとめて申請した方が手続きは簡単なのか」と迷うことがあります。特に新しい輸送案件に合わせて複数台を投入するときは、申請の組み立て方が運行計画にも関わります。 特殊車両通行許可には、1台を対象とする普通申請のほか、複数台を対象とする包括申請があります。ただし、同じ会社が保有する車両というだけで一括にできるわけではありません。今回は包括申請の基本条件、分けて申請した方がよい場面、について解説します。 複数台の申請には「包括申請」という方法がある 普通申請と包括申請の違い 普通申請は、原則として1台の車両を対象とする申請です。これに対し包括申請は、条件を満たす2台以上の車両を1件にまとめる申請方法です。車両ごとに別々の申請を行うより、同じ輸送条件の車両を効率的に管理できるというメリットがあります。 ただし、申請をまとめられることと、どの道路でも自由に走れることは別問題です。許可の対象となる車両、経路、期間、通行条件を守る必要があります。申請方式を決める前に、運行の実態を把握することが重要です。 包括申請に必要な4つの共通条件 国土交通省の案内では、包括申請の基本条件として、車種、積載貨物、通行経路、通行期間が同じであることが示されています。例えば同型の車両でも、ある車両は建設機械を運び、別の車両は鋼材を運ぶ場合には、積載貨物の違いを確認しなければなりません。 また「車種が同じ」という判断は、社内で呼んでいる車両の名称が同じかどうかだけでは決まりません。軸種など申請上の区分を確認します。寸法だけが一般的制限値を超える場合には、一定の条件で複数軸種申請という方法もありますが、重量が超過する場合には同じ扱いができません。 まとめられない場合はどこで判断する? 車種や軸の構成が異なる場合 例えば3台のトレーラーを所有していても、車種や軸の構成が異なれば、同一の包括申請にできるとは限りません。申請の入力上、便宜的に同じ区分を選んでしまうと、審査の途中で確認や差戻しが生じるおそれがあります。 車検証や車両諸元表を並べ、車両の種類、軸数、軸距、寸法、重量などを整理してください。外観が似ていることや、同じメーカーであることだけを判断材料にしないことが大切です。 運ぶ貨物や通行経路が異なる場合 同じトレーラーであっても、輸送する貨物が違う場合や、営業所ごとに目的地が異なる場合には、まとめ方を再検討します。共通の区間があるだけでは、申請する経路が同一とは言えません。複数の現場に配送する運行計画では、出発地と目的地、経由する道路を車両ごとに記録しましょう。 通行期間についても同様です。ある車両は来月から、別の車両は半年後から使用するなど、運行開始時期や必要な期間が違うときは、申請を分ける方が実態に合う場合があります。 包括申請が必ず有利とは限らない理由 審査条件が厳しくなる可能性 包括申請では複数の車両をまとめて審査するため、個別に申請した場合より通行条件が厳しくなったり、許可されなかったりする場合があります。なぜなら、複数台をまとめて申請する場合、同じ型式であれば同一の整理番号で申請できますが、まとめることができない場合は、申請する複数台の車両のうち『最も条件の厳しい車両を代表車両として』申請しなければならないからです。したがって、申請件数が少なくなることだけを優先するのは適切ではありません。 例えば、車両Aは予定経路を通れる見込みでも、車両Bの重量や寸法が異なれば、同じ経路での審査結果が変わる可能性があります。全車両を一括にする案と、諸元の近い車両だけをまとめる案を比較することが有用です。 許可取得後の配車管理にも影響する 許可を取得した後は、どの車両がどの経路で、いつまで通行できるかを配車担当者が把握できる状態にしておく必要があります。包括申請をしたからといって、対象外の車両や別の経路まで許可されたわけではありませんので、管理を徹底しておく必要があります。 よって、許可書や車両内訳書を運行管理に反映し、運転者が対象車両と通行条件を確認できるようにしましょう。許可内容と実際の運行を照合する仕組みを作ることが、申請方式の選択と同じくらい重要です。 申請前に会社で整理したい情報 車両一覧と輸送案件を突き合わせる 最初に、申請したい車両の一覧を作成します。車両番号、車種、軸の構成、車両の寸法と重量、積載する貨物を車両ごとに記入します。次に輸送案件ごとの出発地、目的地、通行経路、希望する運行期間を整理してください。 この2つの一覧を突き合わせると、条件が共通する車両のグループが見えてきます。情報が不足している車両は無理に同じグループへ入れず、車検証、諸元表、積載計画などで確認するようにしましょう。 申請をまとめる案と分ける案を比較する 例えば、同じ貨物を同じ工場から同じ現場へ運ぶ車両が4台あり、そのうち1台だけ車種が異なるとします。この場合、4台を無条件にまとめるのではなく、同じ条件の3台を包括申請の候補とし、残る1台は別申請を検討する、という方法が考えられます。 比較するときは、申請の件数だけでなく、審査の見通し、希望する運行開始日、取得後の管理方法も考慮します。判断に迷う場合は、申請先の道路管理者や専門家に相談しましょう。 行政書士に相談する際の準備と確認事項 車両台数が多い場合や、車種・貨物・経路が入り組んでいる場合には、申請をどの単位に分けるかの検討自体が負担になります。特殊車両通行許可申請を扱う行政書士に相談する際は、車検証、車両諸元表、貨物の内容が分かる資料、予定経路、運行開始希望日、既存の許可書を用意すると状況を伝えやすくなります。 そのうえで、どの車両を包括申請の対象にできるか、複数軸種申請を検討できるか、分けて申請する場合の利点と注意点は何かを確認します。申請方式の決定には、車両の実際の仕様と輸送計画を正確に伝えることが欠かせません。 福岡県八女郡広川町の奥村行政書士事務所では、特殊車両通行許可申請を取扱業務として案内しています。複数台の申請方法に迷ったときは、車両一覧と輸送予定を整理したうえで、申請内容について相談してみてください。
- 許認可・届出
-

特殊車両の軸重が制限を超えたら?通行許可申請前に確認したいこと
大型トラックやトレーラで重機・機械設備などを運ぶ際、「車両総重量は確認したので問題ない」と考えていないでしょうか。道路法上の重量制限には、車両全体の総重量だけでなく、車軸ごとにかかる「軸重」などの基準もあります。総重量が一定の範囲に収まっていても、荷物の載せ方によって特定の車軸に荷重が集中することがあります。 軸重が一般的制限値を超える場合、運行できるかどうかは特殊車両通行許可などの制度と通行経路を踏まえて確認する必要があります。ここでは軸重の考え方の基本、確認すべき資料、申請前の対応をご紹介します。 車両総重量と軸重は別々に確認する 総重量が基準内でも軸重超過は起こり得る 車両総重量は車両自体の重さに積載物や乗員などを含めた重量です。一方、軸重は一つの車軸を通じて路面にかかる重量を指します。道路法に基づく一般的制限値は、原則として総重量20t、軸重10t、輪荷重5tです。総重量は高速自動車国道や重さ指定道路などでは特例があり25t、単純にすべての道路で20tというわけではありません。 例えば、総重量が基準内でも荷物が後方に偏れば後軸の負担が大きくなる場合があります。総重量だけを合計して「許可不要」と決めるのは適切ではない、ということです。 隣接軸重と輪荷重にも注意する 隣接軸重は隣り合う車軸の軸重の合計で、軸と軸の間隔などにより一般的制限値が18t、19t、20tに分かれます。また、輪荷重は一つの車輪から路面にかかる重量で、原則5tが一般的制限値です。 軸重がそれぞれ10t以下でも、隣接軸重の基準に抵触する可能性があります。車軸の数だけでなく、軸距と各軸の荷重をセットで確認することが重要です。 軸重を確認するために必要な情報 車検証だけで判断しない 車検証は車両の基本情報を確認する出発点ですが、実際に積荷を載せたときの各軸への荷重まで、常に把握できる資料ではありません。車両メーカーの諸元表、車両図、軸距・軸重が分かる資料、架装内容などを確認します。トレーラ連結車では、けん引車と被けん引車の情報を区別し、連結状態で考える必要があります。 車検証に記載された最大積載量と、道路法上その経路を通行できる積載重量は同じ意味ではありません。最大積載量の範囲内なら、どの道路でも通行できるというわけではない点に注意しましょう。 積載物の重量と載せる位置を把握する 重機や設備を運ぶ場合は、積載物の重量、外形寸法、重心位置、荷台上での配置を確認します。積載物の重量が同じでも、前寄りか後ろ寄りかで軸重の配分が変わることがあります。 メーカー資料や積載計画図から計算できる場合もありますが、資料が不足する場合は運送会社、車両メーカー、架装業者などに確認し、必要に応じて実測を検討します。概算値だけで申請数値を決めず、根拠を残すことが大切です。 軸重超過が分かったときの対応手順 まず積載方法や使用車両を再検討する 軸重が一般的制限値を超えそうなときは、申請準備を進めるにあたって、荷物の配置変更、適切な車両の選択、積載方法の見直しで基準内に収められないかどうかを確認します。ただし、積載位置を動かすことで別の軸に負担が移る場合もありますので全体のバランスも考慮します。荷崩れ防止や車両の安定性、道路交通法・道路運送車両法上の規制も別途守る必要があります。 分割できる貨物なら輸送方法の変更も検討できます。一方、分割が難しい機械設備などは、車両の構造や貨物の特殊性を踏まえ、通行許可等の対象になるかを確認します。 次に経路と申請制度を確認する 一般的制限値を超えるからといって、申請すれば必ず通行できるわけではありません。道路の橋梁や構造、車両諸元、経路によって審査結果は変わります。特殊車両通行許可制度のほか、対象車両と経路によっては特殊車両通行確認制度を利用できる場合もあります。 出発地と目的地だけでなく、実際に通る道路を明確にし、橋梁や道路管理者の条件を確認します。許可が必要な場合は、許可を受ける前に一般的制限値を超えた状態で運行してよいわけではありません。 許可条件と実際の運行状態を一致させる 許可が得られた場合も、許可された車両、重量、経路、期間や付された通行条件を守る必要があります。申請時の積載計画と実際の積載状態が異なれば、想定した軸重と食い違う可能性があります。運行担当者と配車担当者の間で、許可内容と積載条件を共有しましょう。 具体例で考える軸重の確認 ここでは、具体例を示します。例えば、ある運送会社が機械設備をトレーラで運搬する計画を立て、総重量は予定経路の基準に収まると考えていました。しかし、積載物の重心が後方にあるため、特定の車軸に荷重が集中する懸念が生じました。 この場合、総重量の数値だけで出発するのではなく、積載計画と車両諸元から各軸重を確認します。基準を超えるなら積載位置や車両の見直しを検討し、それでも超過する場合は車両・貨物の特殊性と通行経路を踏まえて許可等の可否を確認します。実際の許可の可否を、ここに示した条件だけで判断することはできません。 重要なのは「荷物が何tか」だけでなく、「その重さが各車軸にどうかかるか」を確認することです。軸重の根拠が不明なまま申請すると、資料の追加確認や積載計画の再検討が求められるケースもあります。 行政書士への相談前に準備したい資料 特殊車両通行許可申請について相談する際は、車検証、車両諸元表・車両図、各軸の軸重と軸距が分かる資料、積載物の重量・寸法資料、積載位置を示す図、出発地・目的地と予定経路を整理しておくと状況を伝えやすくなります。情報がそろわない場合は、何が未確認かを明示するだけでも、次に確認すべき点が整理できます。 特に、初めて運ぶ重量物、積載状態によって軸重が変わる車両、複数の道路管理者にまたがる運行では、申請の前提となる車両諸元と経路を早めに確認することが重要です。 福岡県八女郡広川町の奥村行政書士事務所では、特殊車両通行許可申請を取扱業務として案内しています。軸重の確認資料が十分でない場合や、どのように申請準備を進めるか迷う場合は、現在把握している車両・積載物・経路の情報を整理したうえで相談をご検討ください。
- 許認可・届出
-

トラクタとトレーラの組み合わせを変えたら?特殊車両通行許可の確認事項
運送会社では、同じトラクタで複数のトレーラを牽引したり、配車の都合で別のトラクタにつなぎ替えたりすることがあります。その際、「以前取得した特殊車両通行許可をそのまま使えるのか」「車両を増やすと改めて申請が必要なのか」と迷うことがあるでしょう。 特殊車両通行許可では、単にトラクタとトレーラがそれぞれ登録されていれば、どの組み合わせでも自由に通行できるとは限りません。車両の寸法や重量、通行経路、許可書に記載された車両の範囲などを照合する必要があります。ここでは、付け替え前に確認すべき事項と、申請を検討する手順を説明します。 まず確認したいのは「どの車両に対する許可か」 トラクタとトレーラは別々の車両です トラクタは牽引する側の車両、トレーラは牽引される側の車両です。つまり、駆動させることができるエンジンが搭載されている車両の方がトラクタです。連結して走行するときの全長、総重量、軸重などは、組み合わせや積載状況によって変わります。そのため、車検証に記載された情報を確かめるだけでなく、実際の連結状態での諸元も確かめておく必要があります。 特殊車両通行許可は、道路法上の一般的制限値を超える車両について、申請した車両・経路などを審査する制度です。許可書や車両内訳書、付された条件などを確認し、これから使用するトラクタとトレーラが許可の対象の範囲内に含まれるかを確かめます。 「同じ会社の車両だから大丈夫」とは限りません 同一会社が所有する車両でも、許可対象外の車両を連結すれば、従前の許可だけで通行できるとは限りません。反対に、組み合わせを変えたからといって、すべての場合に新規申請が必要と決まるわけでもありません。既存の許可内容と新たに組み合わせた車両の連結状態における諸元とを照らし合わせてみる必要があります。 付け替える前に照合する4つの情報 1.トラクタとトレーラの車両情報 始めに双方の自動車検査証記録事項などから、車台番号、登録番号、車両の寸法、重量、最大積載量などを確認します。電子車検証の場合は、券面だけでは確認できない項目があるため、自動車検査証記録事項も用意すると確認作業が進めやすくなります。 車両情報の転記ミスは、申請内容と実車の不一致につながります。似た登録番号の車両を複数所有している場合は、社内の呼び名だけで管理せず、正式な識別情報で照合しましょう。 2.連結した状態の寸法・重量 トレーラの種類や積載する貨物が変わると、連結時の全長や重量、軸重などの条件が変わる恐れがあります。単にトレーラの車検証を差し替えるだけで判断せず、どの組み合わせで、何を、どの程度積んで走行するのかまで確かめるようにします。 積載物が変わるときは、道路法上の特殊車両通行許可とは別に、道路交通法上の『制限外積載許可』などが別途必要となるケースもありますので、それについても注意が必要です。 3.通行経路と許可条件 同じ車両でも、許可された経路以外を自由に走れるわけではありません。出発地・目的地、経由道路、橋梁や交差点の条件を確認します。また、通行条件としてB・C・D条件、つまり、徐行や誘導車の配置などが付されている場合、運行担当者と運転者に具体的な条件を共有する必要があります。 4.許可の有効期間と対象車両 許可証が有効期間内でも、予定する車両がその許可に含まれているとは限りません。許可証の記載だけで判断せず、添付された車両内訳書や条件書まで照合します。過去に申請した書類と現在の配車表を照らし合わせると、確認漏れを減らすことができます。 組み合わせが変わる場合の申請判断 既存の許可の範囲で運行できるかを先に調べる 最初に、予定するトラクタとトレーラの組み合わせが、既存の許可内容で認められる範囲内にあるのかを確認します。包括申請などで複数車両を扱っている場合も、許可書類の記載や適用条件を確かめることが必要です。「包括申請だからすべての組み合わせが可能」とは限らないので注意しましょう。 対象外なら、運行前に必要な手続きを確認する 予定する車両が許可の対象外であったり、諸元が許可内容と異なったりする場合は、変更申請や新規申請などの要否を確認します。どの手続きが適切かは、変更内容や申請先の取扱いによって異なります。許可が必要な場合、申請しただけで通行できるわけではないため、審査と許可の取得を見込んで配車を調整してください。 なお、特殊車両通行確認制度を利用する場合は、車両登録や経路の確認など、許可制度とは異なる仕組みが用意されています。両制度の取扱いを混同ぜず、実際に利用している制度がどちらなのか確認するようにします。 配車変更が決まったときの実務的な進め方 運行担当者が先に整理できること 例えば、翌週の運搬に向けてトレーラを別のトラクタへ付け替える予定があるとします。まず、予定する双方の車両を登録番号・車台番号で特定し、積載予定の貨物と経路を確定します。次に、保管している許可証一式から対象車両、経路、有効期間、通行条件を照合します。 この段階で対象範囲を確認できない場合は、「以前も同じ道路を通った」「同型車だから問題ない」といった理由だけで出発を決めないことが重要です。許可書の添付資料が見つからない場合も、まず申請担当者や申請先に確認します。 申請を相談するときに用意する資料 行政書士などに相談する際は、現在の許可証・条件書・車両内訳書、トラクタとトレーラ双方の車検証情報、予定する連結の組み合わせ、貨物の内容、運行経路、運行希望日をそろえておくと、状況を説明しやすくなります。 特に複数の組み合わせを日常的に使用する会社では、今回の1便だけでなく、今後使用する車両の一覧も整理すると、申請範囲を検討しやすくなります。ただし、どの車両を一括して申請できるかは条件次第であり、すべてをまとめられるとは限りません。 許可内容が曖昧なまま運行しないために トラクタとトレーラの付け替えでは、車両の所有者や外観が同じように見えても、許可の対象車両や諸元が一致しているか最終確認が必要です。出発前に車両情報、連結時の条件、経路、許可書類を照合し、不明点が残る場合は必要な手続きを確認してください。 奥村行政書士事務所では、特殊車両通行許可申請を取扱業務として案内しています。許可書類と予定する車両の組み合わせを整理しても判断が難しい場合や、申請書類の準備を進めたい場合は、運行予定日が迫る前に相談することをおすすめします。
- 許認可・届出