Gマーク申請は年1回・2週間だけ。準備で見落としがちな5つのポイント【お客様の声つき】

Gマーク、そろそろ取りたい。でも何から手をつければいいのか分からない。この記事は、そんな運送会社の経営者さん・運行管理者さんに向けて書きました。
Gマーク(安全性優良事業所)を申請できるのは、毎年7月の約2週間だけです。しかも点数の多くは、申請書を書く日ではなく、それまでの点呼や記録、巡回指導の結果で決まります。7月に入ってから慌てても、過去の記録は増やせません。
前半でGマークの条件と点数のしくみを整理し、後半で準備のときにつまずきやすい5つのポイントをまとめました。最後に、運送会社向け「Gマーク準備チェックリスト」の確認をお手伝いした日本電興株式会社様の感想も載せています。
Gマークとは?取ると何が変わるのか
Gマークは、全日本トラック協会が「安全への取り組みがしっかりしている営業所」を認定する制度です。正式には「安全性優良事業所」といい、認定されるとトラックの車体や名刺、ホームページにGマークを表示できます。荷主さんから見ると「この会社は安全面で第三者のお墨付きがある」という目安になります。
申請できる営業所の条件
Gマークは会社単位ではなく「営業所単位」で申請します。主な条件は次のとおりです。
- ・一般貨物自動車運送事業(または特定貨物)の営業所であること
- ・その営業所で運輸開始から3年以上たっていること
- ・その営業所に配置している事業用自動車が5両以上あること
数えるのは会社の年数ではなく、営業所の年数です。本社が20年やっていても、去年つくった営業所はまだ申請できません。
評価は100点満点で「80点以上」
評価は3つのテーマに分かれていて、それぞれの基準点をクリアしたうえで、合計80点以上が必要です。
| 評価テーマ | 配点 | 基準点 |
|---|---|---|
| 安全性に対する法令の遵守状況 | 40点 | 32点以上 |
| 事故や違反の状況 | 40点 | 21点以上 |
| 安全性に対する取組の積極性 | 20点 | 12点以上 |
| 合計 | 100点 | 80点以上 |
引用元:全日本トラック協会「安全性優良事業所(Gマーク)認定制度」の評価基準をもとに作成
- ※評価項目や基準は見直されることがあります。申請前に必ずその年度の申請案内を確認してください。
認定されると受けられる主なメリット
- ・行政処分の違反点数が早く消える(通常3年のところ、2年間新たな点数がなければ消去)
- ・カメラ付き機器などを使ったIT点呼ができる
- ・特殊車両通行許可や基準緩和の有効期間が延びる場合がある
- ・特定技能(自動車運送業・トラック)の受け入れ要件を満たす方法のひとつになる
- ・トラック協会の助成で優遇される場合がある
有効期間は、新規認定で2年、1回目の更新で3年、2回目以降の更新で4年です。更新を忘れると失効し、次は新規扱いからやり直しになります。
申請は毎年7月の約2週間だけ
Gマークの申請受付は年に1回です。2026年度は7月1日から14日までの2週間、ウェブ上で受け付けが行われました。申請は全国で8,215事業所。そのうち新規申請が1,278事業所、更新申請が6,937事業所でした。審査を経て、12月中旬に認定が公表される予定です。
引用元:LNEWS「Gマーク申請、2026年度は8215事業所」
https://www.lnews.jp/2026/07/s0722101.html
申請書は2週間あれば書けます。でも、点呼記録や教育の記録は2週間ではつくれません。Gマークの準備は、前の年から始まっています。
準備で見落としがちな5つのポイント
①営業所ごとに条件を確認していない
先ほどのとおり、Gマークは営業所単位です。「会社としては10年やっている」でも、申請したい営業所が移転したばかりだったり、配置車両が4両だったりすると、そもそも申請できません。まずは営業所ごとに「運輸開始から3年」「5両以上」を確認しましょう。
②巡回指導の結果がそのまま点数になる
40点ある「法令の遵守状況」は、トラック協会の適正化事業実施機関による巡回指導の結果をもとに評価されます。巡回指導で指摘された項目をそのままにしていると、ここで大きく点を落とします。指摘を受けたら、改善報告まで終わらせておく。地味ですが、点数に直結するところです。
③「やっている」と「記録が残っている」は別もの
点呼も安全教育も、やっていても記録がなければ点になりません。点呼記録や運転日報(業務の記録)は1年、乗務員等台帳や指導・監督の記録は3年など、書類ごとに保存期間が決まっています。抜けや押印漏れ、日付の空白がないか。月に1回、見直す日を決めておくだけでもだいぶ違います。
④「取組の積極性」は日頃の積み重ね
20点の「安全性に対する取組の積極性」は、安全方針の掲示、事故防止の会議、安全教育の計画、健康管理などの取り組みが対象です。申請の直前にまとめてそろえようとしても、会議の記録や教育の実績は日付をさかのぼれません。年間計画をつくり、毎月ひとつずつ実施して記録を残す。これを1年続ければ、申請のときに困りません。
⑤使っているチェックリストが最新の基準と合っているか
ネットや業者さんから手に入るチェックリストは便利です。ただし、作られた時期が古いと、評価項目の見直しに追いついていないことがあります。使う前に、その年度の申請案内と一度見比べてください。
お客様の声:日本電興株式会社 代表取締役 下川慎二様
日本電興株式会社様(東京都千代田区)は、デジタルタコグラフなど車載機の取り付けを手がける会社です。お客様の運送会社に配る「Gマーク準備チェックリスト」の内容確認をご依頼いただき、修正点を修正指示書にまとめて納品しました。修正後のチェックリストは、運送会社様への配布が始まっています。
「全日本トラック協会の申請案内と一項目ずつ照らし合わせ、配点の誤りだけでなく、認定要件の抜けや、当社がどこまで関わってよいかの線引きまで具体的に示していただきました。納期より早く届き、修正後の確認も迅速でした。安心してお客さまにお渡しできる資料になりました。」
(日本電興株式会社 代表取締役 下川慎二様)※ご本人の了承を得て、会社名・お名前を掲載しています。
Gマークの準備でお困りの方へ
私の現場経験は28年あり、運送の仕事では点呼を受ける側でした。忙しい日ほど記録があと回しになる感じは、よく分かります。
Gマークは、その毎日の積み重ねを、荷主さんや取引先に目に見える形で示せる制度です。点数の大半は申請の前に決まるので、今日の点呼と記録が、そのまま来年の点数になります。
「うちの営業所は申請できる?」「巡回指導で指摘された所をどう直せばいい?」「自社のチェックリストを見てほしい」など、Gマークの準備でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。運行管理者(貨物)の資格を持つ行政書士として、現場の目線でいっしょに準備を進めます。
本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、行政書士あおばと合同事務所までお問い合わせください。
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