士業コラム
任意整理とは?司法書士が実務でよく相談されるケースを解説

任意整理とは?司法書士が実務でよく相談されるケースを解説

司法書士として長年借金問題のご相談を受けていると、
「毎月返済しているのに元金がほとんど減らない」
「リボ払いの残高が増え続けている」
「返済日が近づくたびにお金のやりくりを考えなければならない」
といったご相談を受けることが少なくありません。
特に最近は、クレジットカードのリボ払いやカードローンを利用しているうちに借入額が増え、気が付けば複数社に返済をしているという方からの相談も多く見られます。
そのような場合に検討されることが多い手続きの一つが「任意整理」です。
任意整理という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような手続きなのか、自己破産や個人再生と何が違うのかまではよく分からないという方も多いと思います。
そこで今回は、任意整理とはどのような手続きなのか、実際にはどのような方から相談を受けているのかなどについて解説していきます。

任意整理とはどのような手続きか

手続きの概要

任意整理とは、貸金業者やクレジットカード会社などの債権者と個別に交渉を行い、今後の返済条件を見直す手続きです。
一般的には、将来発生する利息をカットしたうえで、残った元金を36回から60回程度の分割で返済をすることになります。

他の手続きとの違い

自己破産や個人再生とは異なり、裁判所を利用せずに進めることができるため、比較的利用しやすい債務整理手続きで、全ての借入先を対象にする必要もありません。
そのため、自動車ローンを返済中で車を残したい場合や、保証人が付いている借入について保証人へ請求が及ぶことを避けたい場合には、その借入先を手続きの対象から外すことが可能です。

実際にはどのような相談が多いのか

実際のご相談で多いのは、生活費の不足を補うためにクレジットカードやカードローンを利用し、その後徐々に借入額が増えてしまったケースです。
最初は毎月の返済も問題なく続けられていたものの、
「返済しても残高がほとんど減らない」
「返済資金を確保するために別のカードを利用している」
「ボーナスが入らないと返済が厳しい」
という状態になり、相談に来られるケースをよく見かけます。

また、ご相談は、会社員の方、自営業の方、パートやアルバイトの方、年金生活の方など、さまざまな方からいただいております。

任意整理をすると何が変わるのか(任意整理のメリット)

返済の負担軽減

任意整理の大きな特徴は、毎月の返済負担を軽減し、返済を続けやすくすることです。
例えば、毎月の返済額の大部分が利息に充てられていて、元金がなかなか減らないという方の場合、将来利息をカットした内容で和解できれば、返済の見通しが立てやすくなります。

督促の停止

また、司法書士などの専門家に任意整理を依頼して受任通知が送られると、それ以降貸金業者等から本人への直接の督促が止まります。
そのため、

  • ・返済日のたびに精神的な負担を感じる
  • ・毎日のように督促の電話が来る
  • ・郵便物が届くたびに不安になる

といった状況がまずは改善することになります。

任意整理のデメリット

ブラックリスト

もっとも、任意整理にもデメリットはあります。
代表的なものは信用情報への事故情報の登録(いわゆるブラックリスト状態)です。
任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、完済から約5年間は、新たな借入れやクレジットカードの作成・利用が難しくなります。

借金が無くなるわけではない

任意整理は自己破産のように借金がなくなる制度ではありません。
あくまでも返済条件を見直す手続きであり、原則として元金は返済していく必要があります。
そのため、任意整理後も継続して返済できる見込みがあるかどうかというところも重要になります。

ご相談時にお伺いしていること

質問事項

任意整理のご相談では、借金の総額だけを見て判断するわけではありません。

私たちが確認するのは、例えば次のような点です。

  • ・それぞれの借入先にいくら残っているか
  • ・何社から借りているか
  • ・毎月いくら返済しているか
  • ・毎月の収入と生活費はいくらか
  • ・滞納している借入があるか
  • ・督促状や裁判所からの書類が届いていないか
  • ・いつ頃から借入をしているか

方針

借入期間が長い場合には、過払い金が発生していないかを確認することもありますし、任意整理をしても返済を続けることが難しい場合には、個人再生や自己破産を検討することもあります。
「任意整理をしたい」という希望があっても、家計を確認すると別の手続きのほうが適していることは珍しくありません。
司法書士法人黒川事務所では、2007年の開業以来、借金問題のご相談に継続して取り組んで参りました。
これまで15,000人以上の方の借金問題に携わってきましたが、同じような借入額であっても、収入や生活費、借入先、これまでの返済状況によって、適した解決方法は異なります。
そのため、最初から任意整理で進めると決めるのではなく、現在の状況を確認したうえで、無理なく返済を続けられる方法があるかを検討することを大切にしています。
任意整理で返済を続けられる見込みがあるのか、それとも個人再生や自己破産を検討したほうがよいのか。こうした点も含めて、具体的な解決方法を一緒に考えていきます。

ご相談時によく聞かれること

費用

任意整理を検討する際には、借金の返済だけでなく、専門家に依頼する費用も気になるところだと思います。
司法書士法人黒川事務所では、借金問題の解決をできるだけ費用を抑えてサポートしたいと考えており、着手金はいただいていません。また、費用の分割払いにも対応しています。

借金の返済が苦しくなって相談する方にとって、専門家への費用負担が新たな問題になってしまっては意味がありません。費用についても事前に説明し、無理のない形で手続きを進められるようにしています。
任意整理をした場合の返済回数や毎月の返済額だけでなく、依頼費用も含めて検討することが大切です。

任意整理後の返済

また、「任意整理をしたら何回払いにできますか」という質問もよくいただきます。
任意整理は自由に返済回数を決められる手続きではなく、最終的には債権者との交渉によって決まりますが、おおむね36回~60回の分割が目安で、平均すると50回前後に集約されます。
返済条件は、借入先やそれまでの利用状況によって変わるため、「自分の場合は何回くらいになりそうか」「月々の返済額はいくらくらいになるのか」を知りたい場合は、ご相談いただければと思います。

最後に

任意整理は、債務額だけでは分からない事情が手続きに影響することも少なくありません。
例えば、家族に借金を知られたくないという方であれば、電話連絡をする時間帯や郵送物の取り扱いについて希望を確認しながら進めていくことになります。
また、他の事務所へ依頼したものの、費用の支払いが続かず辞任となってしまった方の場合には、それまでの経緯や現在の返済状況を確認したうえで、方針も含めて改めてご相談することになります。
収入が不安定な方については、現在の収入だけでなく、今後の見込みや生活費も含めて、無理のない返済計画を考えます。
「この収入で返済を続けられるのか」
「家族に知られずに進められるのか」
「任意整理ではなく別の方法を検討したほうがよいのか」
実際のご相談では、このような点も含めて現在の状況を整理し、その方に合った解決方法を検討していくことになります。

任意整理は、借金の額だけで一律に判断できる手続きではありません。
司法書士法人黒川事務所では、2007年の開業以来、多くの借金問題に携わってきた経験を踏まえ、一人ひとりの収入や生活状況、借入先の事情などを確認しながら、解決方法を検討しています。
借金問題は、返済が苦しくなってから時間が経つほど、選択できる方法が限られてしまうこともあります。

「今の収入で返済を続けられるのか」「任意整理で解決できるのか」「別の手続きを検討したほうがよいのか」と迷っている方は、司法書士法人黒川事務所へご相談ください。
現在の状況を整理し、どのような解決方法が考えられるのか、一緒に確認していきましょう。

本記事は、公開日時点の法令・制度および関連情報に基づいて作成しています。
法令改正等により内容が変更される場合があります。
個別にご相談につきましては、司法書士法人黒川事務所までお問い合わせください。

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